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豊岡市立 出石 家老屋敷

(とよおか しりつ いずし かろう やしき)

歴史を感じる武家屋敷と仙石騒動の舞台

豊岡市立出石家老屋敷は、兵庫県豊岡市出石にある歴史的な博物館です。この施設は、通称「家老屋敷」や「出石家老屋敷」として親しまれており、江戸時代後期の上級武士(家老級)の居宅が復元され、展示品として公開されています。

家老屋敷の歴史と役割

出石家老屋敷は、江戸時代の三大お家騒動の一つである「仙石騒動」の中心人物、仙石左京の屋敷跡に建てられています。仙石左京は、出石藩筆頭家老として藩政に大きな影響を与えた人物であり、彼の屋敷があった場所が現在の家老屋敷となっています。そのため、ここは「左京屋敷」とも呼ばれています。

武家屋敷の建築と防御機能

この屋敷は、一見平屋建に見える外観が特徴的ですが、内部には隠し階段が仕組まれており、実際には二階建ての構造を持っています。二階は、刀を使いにくくするために天井が低く造られており、屋根上への通路も存在します。これらの仕掛けは、襲撃に備えるために工夫されたもので、武家屋敷ならではの防御機能が見て取れます。

展示物と仙石騒動に関連する資料

館内では、仙石騒動に関連する資料や、無形文化財に指定されている大名行列の諸道具が展示されています。これらの展示物は、江戸時代の出石藩における上級武士の生活を垣間見ることができる貴重な資料となっています。また、仙石左京の資料だけでなく、有子山城や出石城の発掘品、説明パネルなども展示されており、訪れる人々に歴史の深さを感じさせる内容となっています。

伊藤清永記念館との連携

出石家老屋敷の隣には、伊藤清永記念館が併設されています。この記念館は、豊岡市出身の洋画家、伊藤清永氏の作品を中心に展示する市立美術館です。1989年に開館し、常設展では伊藤清永氏の初期から後期にかけての代表作が展示されています。また、黒田清輝から譲り受けたイーゼルや藤田嗣治のパレットなども観ることができ、芸術ファンにも人気のスポットです。

数奇屋風の建物と展示室

記念館の建物は、コンクリート構造でありながら、江戸時代の街並みと調和するように設計された数奇屋風の外観を持ちます。また、天井採光を得るためにガラス瓦を使用した展示室もあり、現代と伝統が融合した空間となっています。

出石家老屋敷の訪問価値

出石家老屋敷は、歴史や建築に興味のある方にとって見逃せないスポットです。この屋敷を訪れることで、江戸時代の上級武士の生活や、仙石騒動にまつわる歴史的背景を深く理解することができます。また、隣接する伊藤清永記念館と合わせて訪れることで、豊岡市出石町の文化と歴史をより一層楽しむことができるでしょう。

仙石左京の生涯と業績

仙石左京(仙石久寿)は、江戸時代後期の出石藩大老であり、幼名を半、後に左京と称しました。父の後を継ぎ、藩の財政改革を推進したほか、藩主の後継者選定にも深く関与しました。しかし、権力争いに巻き込まれ、最終的には失脚し、江戸鈴ヶ森で獄門に処せられました。彼の生涯は、幕府内の権力闘争とも深く関わり、仙石騒動として後世に語り継がれています。

アクセス情報と周辺観光地

出石家老屋敷は、出石城の内堀近くに位置しており、アクセスも便利です。周辺には、出石城跡や出石温泉などの観光スポットが点在しており、歴史散策と合わせて訪れることをお勧めします。

まとめ

豊岡市立出石家老屋敷は、江戸時代後期の上級武士の生活や、仙石騒動にまつわる歴史を感じることができる貴重な場所です。武家屋敷としての防御機能や、仙石左京に関連する資料の展示など、歴史ファンや建築愛好家にとって魅力的な要素が詰まっています。さらに、隣接する伊藤清永記念館と合わせて訪れることで、豊岡市出石町の歴史と文化を存分に堪能できるでしょう。

Information

名称
豊岡市立 出石 家老屋敷
(とよおか しりつ いずし かろう やしき)

城崎・出石・湯村温泉

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