施設の概要
豊岡市立出石史料館は、出石藩の歴史や江戸時代から近代に至るまでの地域の歩みを広く紹介する施設です。1977年、出石町が地元の豪商であった福富家の旧邸を譲り受け、史料館として一般公開されました。館内では、仙石騒動や藩政の記録、古地図、武具、茶臼山古墳からの出土品など、さまざまな歴史的資料が展示されています。
また、1997年には香港の人気ドラマ『三誓盟』のロケ地としても使用され、館内の歴史的な雰囲気がその魅力を一層引き立てました。
建築の特徴
豊岡市立出石史料館は、明治9年の出石大火の直後に再建された豪商福富家の本邸を利用しています。生糸商を営んでいた福富家は、火災で町の大部分が焼失した後、遠く京都から職人を招き、数奇屋風の近代和風建築を造り上げました。建物の土台には石が使われており、その価値は当時の家一軒分に相当するほどでした。贅を尽くしたこの建物は、1987年に兵庫県住宅百選に選定され、さらに豊岡市指定文化財としても認定されています。
施設の構成
史料館は、主屋、離れ、土蔵の3つの建物で構成されています。それぞれの建物には、出石藩に関連する史料が展示されており、江戸時代の生活や文化を体感することができます。特に、主屋の2階は内部構造が複雑で、当時の豪商の暮らしぶりを伺い知ることができる貴重な空間となっています。
利用情報
豊岡市立出石史料館は、年間を通じて多くの来館者を迎えています。開館時間は午前9時30分から午後5時までで、入館は午後4時30分までとなっています。休館日は火曜日(祝日の場合は翌日)と、年末年始(12月28日~1月4日)です。
交通アクセス
史料館へのアクセスは、JR山陰本線の豊岡駅や八鹿駅から全但バス「出石」行きに乗車し、終点で下車後徒歩6分となっています。また、周辺には出石伝統的建造物群保存地区や宗鏡寺、願成寺などの観光スポットも点在しており、歴史散策の一環として訪れることができます。