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大屋町大杉

(おおやちょう おおすぎ)

大屋町大杉は、兵庫県養父市に位置する重要な伝統的建造物群保存地区です。大屋町大杉は、2001年に兵庫県の歴史的景観形成地区に指定され、さらに2017年には国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。この地区は、養蚕業が盛んだった時代の山村集落として、地域的特色を色濃く残しています。

保存地区の概要

大屋町大杉地区は、兵庫県北部の但馬地域に位置し、かつて養蚕業が盛んだった大屋川流域の山村集落です。明治後期から昭和前期にかけて、二階、三階を蚕室として使用する木造三階建の農家主屋が多く建てられました。これらの建造物は、切妻造の瓦葺屋根に越屋根を設け、大壁造の外壁と縦長の掃き出し窓が特徴的です。このような建築様式は、養蚕業の発展と共に成り立ち、谷川の水を利用した集落構成や水路、石垣などと共に、地方色豊かな歴史的風致を伝えています。

主な建造物と施設

大屋町大杉地区の伝統的景観

大屋町大杉伝統的建造物群保存地区は、三階建の養蚕住宅が特徴的な地域であり、兵庫県北部に位置しています。地区内には、江戸時代後期から昭和30年代までに建てられた主屋や土蔵など、伝統的な建造物が多く残されています。特に三階建の養蚕住宅群は、切妻型の瓦葺屋根、抜気と呼ばれる換気装置、大壁造、大きな掃き出し窓などの形式で統一され、地域の特色をよく表しています。

大杉地区には、27棟の主屋があり、そのうち12棟が三階建の養蚕住宅です。平成18年度に行われた調査によると、養父市内には495戸の三階建養蚕住宅があり、これは全国的にも非常に稀な農家住宅です。大杉地区は、このような養蚕住宅が織り成す美しい集落景観を保ち、養蚕業の最盛期を良好に伝えています。

周辺の観光スポット

大杉地区の周辺には、木彫展示館や分散ギャラリー養蚕農家をはじめ、天滝、かいこの里、おおやアート村BIGLABO、あゆ公園など、楽しめる施設や観光スポットが多くあります。これらの施設は、地域の歴史や文化を学ぶだけでなく、自然やアートを楽しむ場所としても魅力的です。

おおやアート村 BIG LABO

「おおやアート村 BIG LABO」は、旧八鹿高等学校大屋校の廃校を活用し、2012年にオープンしたアート施設です。ここでは、アートの手作り体験やワークショップ、アーティストの制作活動が行われており、地域とアートをつなぐ拠点となっています。

BIG LABOの主な施設

かいこの里交流学習館・上垣守国養蚕記念館

「かいこの里交流学習館」と「上垣守国養蚕記念館」は、日本の養蚕業に多大な業績を残した郷土の偉人・上垣守国を顕彰するために建てられた施設です。昭和初期の養蚕住宅を復元し、当時の養蚕農家の暮らしを伝えています。

5月下旬頃から約1か月の間、蚕の飼育現場や成長過程を見学することができ、6月には「かいこ祭り」も開催されます。この祭りでは、真綿づくりや糸ひきなど、昔から伝わる技術の実演や体験ができます。

Information

名称
大屋町大杉
(おおやちょう おおすぎ)

城崎・出石・湯村温泉

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