施設概要と建築の特徴
木の殿堂は、瀞川平の森林の中に位置し、豊かな自然環境を活かして建設されました。館内は膨大な杉と杉集成材を使用した立体的な構造で、アップダウンする順路に沿って展示室を巡る設計がされています。建物は直径46mの円筒形で、直径22mの吹き抜けがあり、その底部に大きな池が配置されています。このダイナミックな構造は、森の生命力を象徴しており、安藤忠雄による設計です。
展示内容と体験プログラム
木製民家模型と木製民具
館内では、世界各地の木製民家模型や木製民具が展示されており、木から生まれた多様な文化を紹介しています。また、定期的にトールペイント教室や組み木教室などの工作教室が開催され、訪れる人々に創造的な体験を提供しています。
ハイビジョンシアター
160インチの大画面を備えたハイビジョンシアターでは、木と人との関わりや自然の営みを、美しい映像と音響で楽しむことができます。収容人数は100人で、自然の物語に感動するひとときを過ごせます。
別館・展望棟と展望塔
本館から北へ延びる約200mの通路の先に別館があり、ここではゆったりとしたソファーに腰掛け、森の木々を眺めながらリラックスすることができます。また、屋上は展望棟となっており、但馬の山並みを一望することができ、最高の眺望を楽しめます。
交流の森と広場
本館前には広大な芝生の広場が広がっており、ピクニックやティータイム、植物観察や虫取り、さらにはジャンボブランコでスイス アルプス気分を味わうこともできます。家族や友人と一緒に楽しいひとときを過ごすのに最適な場所です。
シンボル展示「千年家」
「千年家」として知られる箱木家住宅は、日本で最も古い民家の一つとされ、昭和42年には国指定重要文化財となりました。箱木家住宅は、長い年月の間に増築や改造を重ねながらも、伝統的な姿を維持しており、その歴史的価値が評価されています。この住宅は、ダム建設の際に移築され、現在ではその古い姿に復元され展示されています。
図書室と工作室
森と木のライブラリー
図書室では、民俗学から環境問題まで、森や木に関する幅広い情報が集められています。訪れた人々は、展示室や工作室、森での体験で生まれた興味や疑問に答えることができるほか、蔵書の貸し出しも行っています。
工作室
工作室では、パンダやペンギンなどのかわいい動物の組み木を作ることができ、木の温かさを感じながら楽しい時間を過ごせます。組み木教室は、平日や祝日、土日を問わず、1日3回(10:30、13:00、14:30)開催されており、予約が必要です。
木と森林とのくらし
木の殿堂では、世界各地の森林帯における木と人々の暮らしに焦点を当てた展示が行われています。亜寒帯針葉樹林、夏緑林、照葉樹林、熱帯雨林といった代表的な植生帯ごとに、木造民家や木製民具がどのように生活に溶け込んでいたかを具体的に解説しています。
交通アクセスと周辺情報
木の殿堂へのアクセスは、JR山陰本線八鹿駅から全但バスを利用し、村岡行き・秋岡行き・湯村温泉行きの「ハチ北口」停留所で下車、タクシーで約10分です。また、周辺には日本の秘境100選に選ばれた瀞川渓谷や、兵庫県観光100選第一位の瀞川平、但馬高原植物園など、自然豊かな観光スポットが点在しています。
まとめ
兵庫県立木の殿堂は、自然の美しさと日本文化を融合させた施設として、多くの人々に愛されています。展示や体験プログラムを通じて、森や木の素晴らしさを多角的に学ぶことができ、訪れる人々に自然との触れ合いと新たな発見を提供しています。ここ但馬・瀞川平の自然の中で、日本文化の原点を再確認できる貴重な場所です。