温泉寺と城崎美術館の歴史
城崎美術館は、昭和46年(1971年)に開設されました。開設当初から、温泉寺が所蔵する鎌倉時代を中心とした仏教美術や文化財が展示されています。温泉寺は、その長い歴史を通じて多くの貴重な文化財を保持しており、その中には藤原時代の地蔵尊や廃仏毀釈により破壊された仏像などが含まれます。これらの展示品は、仏教の精神と歴史を伝える貴重な資料となっています。
平成3年(1991年)には、城崎町内で発掘された縄文時代、弥生時代、古墳時代の埋蔵文化財が新たに追加され、展示内容がさらに充実しました。そして、平成17年(2005年)に市町合併を機に、これらの文化財の再調査が行われ、美術館の施設もリニューアルされました。現在の展示構成は、「温泉寺の仏教美術」と「城崎の遺跡」の2つのテーマに基づいており、新たな視点で城崎の歴史と文化を紹介しています。
主な所蔵品
城崎美術館では、温泉寺に伝わる数々の貴重な文化財が展示されています。以下に主な所蔵品を紹介します。
薬師如来坐像
伝聖徳太子作とされる薬師如来坐像は、美術館の中でも特に注目される作品です。この仏像は、平安時代の作とされ、温泉寺の信仰の中心的存在として崇められてきました。
六体地蔵尊
藤原時代に作られた六体の地蔵尊は、温泉寺の仏教美術を代表する作品です。それぞれの地蔵尊には異なる姿があり、仏教の教えを表現しています。
破損仏28体
廃仏毀釈の時代に破壊された仏像が28体、美術館に収蔵されています。これらの仏像は、日本の歴史の中で仏教が受けた迫害を物語っており、重要な歴史的資料とされています。
温泉寺縁起図
海北友竹によって描かれた「温泉寺縁起図」は、温泉寺の歴史とその成り立ちを絵画で表現した作品です。この絵図を通じて、温泉寺の起源や発展の過程を視覚的に理解することができます。
埋蔵文化財
縄文時代、弥生時代、古墳時代に城崎地域で発掘された埋蔵文化財も展示されています。土器、馬具、大刀金具などが含まれており、古代日本の生活や文化を感じることができます。
利用情報
城崎美術館は、観光客や地元の人々に広く開放されています。以下は、美術館の利用に関する基本的な情報です。
開館時間
城崎美術館は、午前9時から午後4時30分まで開館しています。訪れる際は、開館時間を確認の上、お越しください。
閉館日
第2・第4木曜日が休館日となっていますが、祝日の場合は開館されますので、特別な日の訪問でも安心です。
入館料
城崎美術館の入館料は100円と非常にリーズナブルです。また、温泉寺と共通の入館料400円で、両施設を見学することができます。
所在地と交通アクセス
城崎美術館の所在地は、兵庫県豊岡市城崎町湯島985-2です。アクセスは非常に便利で、JR山陰本線の城崎温泉駅から徒歩15分で大師山麓に到着し、そこから450段の石段を登ると温泉寺本堂に到着します。また、城崎温泉駅から城崎ロープウェイを利用し、「温泉寺」駅で下車すると、本堂まですぐの場所に美術館があります。
周辺観光地との連携
城崎美術館は、周辺の観光地との連携も魅力です。温泉寺の参拝と共に美術館を訪れることで、歴史と文化、そして自然の美しさを同時に楽しむことができます。城崎温泉に訪れた際は、ぜひこの美術館にも足を運んでみてください。