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出石 皿そば

(いずし さらそば)

風味豊かな伝統の味を楽しむ

「出石皿そば」は、兵庫県豊岡市出石町で提供される伝統的なそば料理です。白磁の小皿に盛られたそばを、徳利に入ったつゆと薬味とともに何枚も楽しむ独特のスタイルが特徴です。

出石町は関西屈指のそば処であり、約50軒ものそば店が軒を連ねています。そばの風味を最大限に生かす「挽きたて」「打ちたて」「茹でたて」の“三たて”が信条とされ、そば本来の美味しさを味わうことができます。

出石皿そばの特徴

小皿に盛られる独自のスタイル

「出石皿そば」は、1人前が5皿に分けられて提供されます。1皿に盛られるそばの量は2~3口程度で、食べやすいサイズです。
出石焼の小皿が使用されており、各店舗ごとに異なるオリジナルの絵付けが施されているため、そばを味わうだけでなく、器のデザインを楽しむこともできます。

そばの風味を引き立てる“三たて”

出石そばは「挽きたて」「打ちたて」「茹でたて」の“三たて”を守り、最高の状態で提供されます。そば粉は実を丸ごと挽いた「丸挽き」のため、茶褐色でそばの香りが濃厚なのが特徴です。

豊富な薬味とつゆの楽しみ方

つゆは徳利に入れられて提供され、そば猪口に注いで好みの薬味を加えて食べるのが一般的です。薬味には、刻みネギ、おろし大根、おろしわさび、とろろ、生卵などが用意されており、自由に組み合わせて味の変化を楽しめます。

出石皿そばの歴史

藩主が信州から伝えたそば文化

「出石皿そば」の起源は1706年(宝永3年)にさかのぼります。
この年、信州(現在の長野県)上田藩から出石藩へ国替えとなった藩主の仙石政明(せんごく まさあきら)が、信州のそば職人を伴ってきたことが始まりとされています。
信州のそば打ち技術が出石に伝わり、地元の伝統的な製法と融合して発展しました。

屋台から生まれた小皿スタイル

幕末の頃、屋台でそばを提供する際に使い勝手の良い小皿(手塩皿)を使用したことが、現在の「皿そばスタイル」の始まりとされています。
その後、地元の特産品である「出石焼」の白磁を用いるようになり、現在の美しい小皿にそばを盛るスタイルが確立されました。

出石皿そばの食べ方

基本的な食べ方

出石皿そばは、小皿に盛られたそばをつゆにつけて食べるのが基本です。
つゆに刻みネギやわさび、大根おろしなどを加えることで、味の変化を楽しむことができます。さらに、生卵やとろろを加えることで、まろやかな味わいにすることも可能です。

枚数を重ねる楽しみ

出石皿そばは何枚食べられるかを楽しむのも魅力の一つです。
地元では「成人男性の一人前は、箸を立てた高さ」と言われるほど、何十皿も食べるのが普通とされています。
各店では一定枚数以上食べた人に「そば通の認定証」を発行するサービスを行っている場合もあります。

出石皿そばを楽しめるお店

出石町には約50軒のそば店があり、それぞれ独自の味やこだわりがあります。出石を訪れた際には、食べ比べをするのもおすすめです。

Information

名称
出石 皿そば
(いずし さらそば)

城崎・出石・湯村温泉

兵庫県