出石皿そばの特徴
小皿に盛られる独自のスタイル
「出石皿そば」は、1人前が5皿に分けられて提供されます。1皿に盛られるそばの量は2~3口程度で、食べやすいサイズです。
出石焼の小皿が使用されており、各店舗ごとに異なるオリジナルの絵付けが施されているため、そばを味わうだけでなく、器のデザインを楽しむこともできます。
そばの風味を引き立てる“三たて”
出石そばは「挽きたて」「打ちたて」「茹でたて」の“三たて”を守り、最高の状態で提供されます。そば粉は実を丸ごと挽いた「丸挽き」のため、茶褐色でそばの香りが濃厚なのが特徴です。
豊富な薬味とつゆの楽しみ方
つゆは徳利に入れられて提供され、そば猪口に注いで好みの薬味を加えて食べるのが一般的です。薬味には、刻みネギ、おろし大根、おろしわさび、とろろ、生卵などが用意されており、自由に組み合わせて味の変化を楽しめます。
出石皿そばの歴史
藩主が信州から伝えたそば文化
「出石皿そば」の起源は1706年(宝永3年)にさかのぼります。
この年、信州(現在の長野県)上田藩から出石藩へ国替えとなった藩主の仙石政明(せんごく まさあきら)が、信州のそば職人を伴ってきたことが始まりとされています。
信州のそば打ち技術が出石に伝わり、地元の伝統的な製法と融合して発展しました。
屋台から生まれた小皿スタイル
幕末の頃、屋台でそばを提供する際に使い勝手の良い小皿(手塩皿)を使用したことが、現在の「皿そばスタイル」の始まりとされています。
その後、地元の特産品である「出石焼」の白磁を用いるようになり、現在の美しい小皿にそばを盛るスタイルが確立されました。
出石皿そばの食べ方
基本的な食べ方
出石皿そばは、小皿に盛られたそばをつゆにつけて食べるのが基本です。
つゆに刻みネギやわさび、大根おろしなどを加えることで、味の変化を楽しむことができます。さらに、生卵やとろろを加えることで、まろやかな味わいにすることも可能です。
枚数を重ねる楽しみ
出石皿そばは何枚食べられるかを楽しむのも魅力の一つです。
地元では「成人男性の一人前は、箸を立てた高さ」と言われるほど、何十皿も食べるのが普通とされています。
各店では一定枚数以上食べた人に「そば通の認定証」を発行するサービスを行っている場合もあります。
出石皿そばを楽しめるお店
出石町には約50軒のそば店があり、それぞれ独自の味やこだわりがあります。出石を訪れた際には、食べ比べをするのもおすすめです。