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樽見の大ザクラ

(たるみ おおザクラ)

樽見の大ザクラは、兵庫県養父市大屋町樽見に位置するエドヒガンの一本桜です。「仙人の桜」という意味で別名「仙桜(せんおう)」とも呼ばれ、1951年(昭和26年)6月9日に国の天然記念物に指定されました。樽見の大ザクラは、古くから地元の人々に大切にされてきた歴史的な樹木です。

樽見の大ザクラの概要

樽見の大ザクラは、兵庫県内で最大規模の大桜であり、その樹齢と幹周りの大きさから全国でも有数の存在です。2020年時点での樹齢は1000年を超えるといわれており、その歴史の深さを物語っています。毎年4月中旬頃になると見事な花を咲かせ、多くの観光客がこの桜を鑑賞するために訪れます。

特徴と歴史

樽見の大ザクラの特徴的な姿は、西側斜面から見上げるとその壮大さが際立ちます。かつて最も盛んであったと言われるのは、江戸時代の元禄年間(17世紀末から18世紀初)であり、当時は樹冠が20間四方(約36メートル四方)に広がっていました。出石藩主の小出英安もこの桜を遊覧した記録が残されています。

また、この桜は出石藩と生野代官所の管轄の境界を示すために植えられたと伝えられています。さらに「山の神の依代(よりしろ)」として信仰され、地域の人々により大切に保存されてきました。かつては樹高が20メートルもあったとされますが、2020年時点では13.8メートル、根回り7メートル、目通り幹周6.3メートルとなっています。

樹勢の衰退と回復

樽見の大ザクラは、1967年頃から徐々に樹勢が衰退し始めました。1993年には桜の花や葉の数が大幅に減少し、幹や枝だけが目立つ状態になっていました。しかし、1997年から樹木医による治療が施されました。土壌改良や不定根の育成などの取り組みによって、樽見の大ザクラの樹勢は徐々に回復し、2020年時点では大幅に改善しています。

交通アクセス

樽見の大ザクラへは、車で訪れるのが便利です。北近畿豊岡自動車道の養父ICまたは八鹿氷ノ山ICからアクセスでき、登山口の駐車場からは徒歩約15分(400メートル)で到達できます。

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樽見の大ザクラ
(たるみ おおザクラ)

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