世界最大級の木像三大佛
長楽寺の大仏殿には、身の丈15.8mもの世界最大級の木造大仏が並び、その圧倒的な迫力と輝く金箔の美しさは、訪れる人々を魅了します。この三大佛は、中国で延べ2万人の仏師が3年の歳月をかけて作り上げたものです。
広大な境内には、大門や五重塔などが配置され、訪れる人々に魂の永遠性を語りかけるような壮大な景観が広がっています。
長楽寺の由緒
長楽寺の歴史は、奈良時代の天平年間(729年~749年)にまで遡ります。この時期に行基によって創建され、当時は八鹿山薬師寺と称されていました。戦国時代に再興され、現在の山寺号となりました。しかし、江戸時代から明治時代にかけて度重なる火災により、多くの古建築と文化財が失われました。
現在の壮大な堂塔伽藍や大仏は、相互タクシー創業者の多田清氏の寄進により平成時代初頭に再建され、平成6年(1994年)に開眼供養が行われました。大仏殿には釈迦如来、薬師如来、阿弥陀如来の木造大仏3体が安置されていますが、特に中央の釈迦如来像は、他の2体よりも大きく、木造座像としては世界最大の高さを誇ります。
三大佛の詳細
長楽寺には、世界最大級の木彫金箔座像である三大佛が鎮座しています。中央には釈迦如来像、左に阿弥陀如来像、右に薬師如来像が安置されており、それぞれの像が個性豊かな表情を持ちながらも、端正で穏やかな慈愛に満ちたまなざしで人々を見守っています。
これらの仏像は、中国人仏師2万人余りが3年かけて製作し、海を渡って大仏殿で組み立てられました。樟材の寄せ木造りに132万枚(21.8kg)の金箔が施され、金色に光輝いています。特に中央の釈迦如来像は、身の丈15.8m、光背と須弥壇、蓮座を含めると総高25.3mにも達します。
大仏殿の特徴
大仏殿は、現代建築の技術と伝統美が融合した、重層寄棟づくりの高さ40mに達する巨大な建物です。屋根には鴟尾(高さ2.7m、重さ1.1t、金箔1.8万枚)が二体設置され、空高く金色に輝いています。内部の三方の壁には806体の石仏が安置されており、それぞれが手作りで個性豊かな表情を持っています。これらの石仏は、参拝者の祈りを受けており、最終的には1200体が安置される予定です。
五重塔の壮麗さ
長楽寺の五重塔は、高さ70mを誇り、日本で2番目に高い塔として知られています(1位は越前大仏の五重塔で75m)。内陣の各層には、51体の大理石仏や金箔仏が安置されており、最上層には釈迦如来、大日如来、阿弥陀如来の三尊仏が祀られています。各層からの眺望は素晴らしく、周辺の山並みや眼下に広がる川を一望することができます。
大門と仁王像
長楽寺の大門は、銅瓦の屋根と檜作りの斗棋が見事に組み合わされた、木造建築の美しさを体現する建物です。大門の左右には、身の丈8m余りの木彫仁王像が猛々しい形相で門を守っています。阿形像(8.2m、9.5t)と吽形像(8.4m、10t)は、万物の始まりと終わりを象徴する存在です。これらの仁王像は、樟材の寄せ木造りで、鮮やかな彩色が施されています。
本堂(薬師堂)
大仏殿の北側には、長楽寺の本堂である薬師堂が位置しています。本尊である薬師瑠璃光如来は、かつて行基自らが彫ったものですが、度重なる火災により失われました。現在の本尊は秘仏として扱われており、通常は厨子の中に安置され、7年ごとに10日間だけご開扉されます。
回廊の美しさ
大門と大仏殿を結ぶ回廊は、約100mにわたって列柱が続き、その美しさが際立っています。直径42cmの欅の柱と、木の香りが漂う桧材で作られた軒や天井は、日本古来の工法を駆使した総木造りで、釘を一切使用していません。
弁天堂と七美弁財天
弁天堂には、但馬七弁天の一つである七美弁財天が祀られています。弁天さまは、物を生み育てる水の神として広く信仰を集めており、この浮御堂に安置された弁天堂は、多くの参拝者の信仰を集めています。
伽藍の紹介
- 薬師堂(本堂) - 秘仏薬師瑠璃光如来像が安置されています。
- 大仏殿 - 間口55メートル、奥行36メートル、高さ40メートルの堂宇で、釈迦如来、薬師如来、阿弥陀如来の木造大仏3体が安置されています。
- 五重塔 - 高さ70mの日本第2位の高さを誇る塔です。
- 大門 - 入母屋造の門で、8m余り、重さ約10トンの仁王像2躯が守っています。
- 弁天堂 - 七美弁財天が祀られています。
- 鐘楼 - 本堂横の舞台に位置し、境内で唯一の古建築です。
- 庫裏 - 寺院の生活空間であり、訪れる者を迎え入れます。