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城崎文芸館

(きのさき ぶんげいかん)

文豪たちが愛した温泉街の歴史と文学に触れる文化施設

城崎文芸館は、兵庫県豊岡市城崎町湯島に位置する文学館です。城崎温泉を訪れた作家や文人たちの作品、ゆかりの資料、温泉街の歴史などを紹介しています。正式名称は「豊岡市立城崎文芸館」で、1977年(昭和52年)11月8日に開館しました。

城崎温泉は、古くから多くの文学者に愛されてきた温泉地です。なかでも、志賀直哉が滞在中の体験を題材に執筆した小説『城の崎にて』は、城崎と文学の結びつきを象徴する作品として知られています。館内では、志賀直哉をはじめ、白樺派の作家たちや与謝野鉄幹・与謝野晶子、島崎藤村、白鳥省吾、司馬遼太郎など、城崎温泉にゆかりのある文学者たちを紹介しています。

文学作品を通して温泉街の歴史や文化に触れられるのが、城崎文芸館の魅力です。温泉巡りや街歩きとあわせて訪れれば、城崎温泉が多くの文人を魅了してきた理由を、より深く感じられるでしょう。

城崎温泉と文学の深い結びつき

城崎温泉は、豊かな自然と落ち着いた街並み、温泉情緒に恵まれ、多くの文人墨客が訪れてきた場所です。作家たちは温泉街での滞在や日々の出来事、人々との交流などから着想を得て、さまざまな作品を生み出しました。

城崎文芸館では、こうした文学者たちの足跡や作品を通じて、温泉地としての城崎だけでなく、文学が育まれた土地としての魅力も紹介しています。作品が生まれた背景を知ることで、現在の温泉街を歩く際にも、新たな視点から風景や歴史を楽しめます。

志賀直哉と『城の崎にて』

城崎文芸館を代表する展示テーマの一つが、白樺派の作家として知られる志賀直哉と城崎温泉との関わりです。志賀直哉は城崎温泉に滞在した経験をもとに、短編小説『城の崎にて』を執筆しました。

この作品は、身近な生き物との出会いや死への意識を通して、生と死について静かに考察した文学作品です。城崎での滞在経験が作品の背景となっていることから、温泉街と文学の結びつきを知るうえで重要な一作となっています。

館内の常設展示室では、「志賀直哉と城崎温泉、そして白樺派」をテーマに、志賀直哉と同時代の文学者たちについて紹介しています。作品だけでなく、作家と城崎との関係にも目を向けることで、文学をより身近に感じられるでしょう。

城崎を訪れた文人墨客たち

城崎温泉には、志賀直哉のほかにも、多くの文学者や文化人が訪れました。城崎文芸館では、与謝野鉄幹・与謝野晶子、島崎藤村、白鳥省吾、司馬遼太郎など、さまざまな時代の作家たちと城崎との関わりを紹介しています。

館内の常設展示室「城崎温泉と文人墨客」では、文学者たちの交流や作品を通して、温泉街が文化人に与えた影響を知ることができます。訪れた作家の顔ぶれや作品をたどれば、城崎温泉が単なる湯治や観光の場にとどまらず、創作の刺激を与える場所でもあったことが伝わってきます。

城崎文芸館の歴史と開館の背景

城崎文芸館は、1977年(昭和52年)11月8日に「城崎町文芸館」として開館しました。開館当初は、江戸時代から残る土蔵を借り受け、改装して展示施設として利用していました。

城崎温泉と文学の関係を語るうえで忘れられない出来事が、1925年(大正14年)に発生した北但馬地震です。この地震では大規模な火災が発生し、城崎温泉の街並みが大きな被害を受けたほか、多くの貴重な直筆資料も焼失したとされています。文芸館は、文学に関する資料を保存し、温泉街の歴史と文化を後世へ伝える役割を担ってきました。

その後、2005年(平成17年)4月1日に城崎町が周辺自治体と合併して豊岡市が発足したことに伴い、名称が「豊岡市立城崎文芸館」に改められました。地域の文化を伝える施設として、城崎温泉の文学的な遺産を紹介し続けています。

2016年の展示リニューアルと企画展

2016年(平成28年)10月、城崎文芸館は展示内容を大幅にリニューアルしました。従来の文学資料の紹介に加え、現代の作家にも焦点を当てた企画展を開催するようになり、時代を超えた文学と城崎温泉の関係を紹介しています。

企画展は半年ごとにテーマを変更する形式で行われ、第1回では「万城目学と城崎温泉」、第2回では湊かなえと城崎との関わりや作家の素顔などが取り上げられました。こうした企画展を通じて、近現代の文学作品や作家の活動にも触れられるのが特徴です。

企画展のテーマや開催期間は時期によって異なります。特定の作家や作品に関心がある場合は、訪問前に開催中の展示内容を確認しておくとよいでしょう。

1階の無料エリア「城崎温泉の記憶」

城崎文芸館の1階には、入館料なしで利用できるスペースがあります。その一つが「城崎温泉の記憶」と題した展示室で、温泉街の歴史や、城崎を訪れた文人たちの足跡を紹介しています。

文学館としての展示だけでなく、城崎温泉そのものが歩んできた歴史にも触れられるため、温泉街を散策する前後に立ち寄るのにも適しています。館内にはインフォメーションスペースもあり、観光の合間に地域の文化について知ることができます。

ショップ&サロン「SHOP&SALON KINOBUN」

1階には、ショップ&サロン「SHOP&SALON KINOBUN」も設けられています。展示鑑賞の前後に立ち寄り、城崎文芸館ならではの雰囲気を楽しめる空間です。

また、屋外には手足湯が設置されています。温泉街を歩きながら気軽に温泉情緒を味わえるのも、城崎温泉にある文化施設ならではの魅力です。各スペースの利用条件や営業状況は、訪問前に確認しておくと安心です。

1階の企画展示室

1階の有料エリアには企画展示室があり、テーマを定期的に変更しながら、現代作家や城崎温泉に関わる文学・文化を紹介しています。作家の作品や活動、土地とのつながりなどを掘り下げる展示が行われ、訪れる時期によって異なる内容を楽しめます。

常設展示とあわせて鑑賞することで、城崎温泉と文学の関係を過去から現代まで幅広く知ることができます。展示内容は入れ替わるため、企画展の開催情報も確認してから訪れるのがおすすめです。

2階の常設展示室

2階には、二つの常設展示室が設けられています。一つは「志賀直哉と城崎温泉、そして白樺派」、もう一つは「城崎温泉と文人墨客」をテーマとしています。

これらの展示室では、志賀直哉をはじめとする文学者たちの作品や、城崎温泉との関わりが紹介されています。作家たちがどのように温泉街と出会い、滞在を通して何を感じ、作品へとつなげていったのかを知ることで、文学作品への理解も深まります。

文学に詳しくない人でも、温泉街の歴史や作家たちのエピソードを手がかりに、城崎の文化的な魅力を楽しめる展示構成となっています。

開館時間・休館日・入館料

城崎文芸館の開館時間は、午前9時から午後5時までです。休館日は毎月最終水曜日で、該当日が祝日の場合は翌日に振り替えられます。

入館料は、大人500円、中学生・高校生300円です。1階には無料で利用できるスペースもあるため、展示の鑑賞を希望する場合は有料エリアの内容を確認して訪れるとよいでしょう。

開館時間や休館日、料金、企画展の内容などは変更される場合があります。訪問前に最新の利用案内を確認しておくことをおすすめします。

交通アクセス

城崎文芸館は、兵庫県豊岡市城崎町湯島357番地の1にあります。JR西日本山陰本線の城崎温泉駅から徒歩約5分と、駅から歩いて訪れやすい立地です。

城崎温泉の中心部に位置しているため、温泉街の散策や外湯巡りと組み合わせて訪れるのにも便利です。文学館で作家たちの足跡に触れた後、街並みを歩きながら、作品の背景となった温泉地の雰囲気を味わってみてはいかがでしょうか。

文学と温泉文化を味わう城崎文芸館

城崎文芸館は、志賀直哉の『城の崎にて』をはじめ、城崎温泉にゆかりのある作家や文人たちの作品と歴史を紹介する文学館です。北但馬地震による資料の焼失を経て、地域の文化を保存し後世へ伝える施設として歩んできました。

常設展示では、志賀直哉と白樺派、城崎を訪れた文人墨客たちの足跡をたどることができ、企画展では現代作家と温泉街の関わりにも触れられます。文学に親しむ人はもちろん、城崎温泉の歴史や文化を知りたい旅行者にもおすすめです。

城崎温泉を訪れた際には、外湯巡りや街歩きの合間に城崎文芸館へ足を運び、作品の舞台となった温泉街の魅力と、そこに息づく文学の世界を感じてみてください。

Information

名称
城崎文芸館
(きのさき ぶんげいかん)

城崎・出石・湯村温泉

兵庫県