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城崎文芸館

(きのさき ぶんげいかん)

城崎文芸館は、兵庫県豊岡市城崎町湯島357番地の1に位置する文学館で、城崎温泉にゆかりのある文人たちの作品や歴史を紹介する文化施設です。正式名称は豊岡市立城崎文芸館(とよおかしりつきのさきぶんげいかん)で、1977年(昭和52年)11月に開館しました。

城崎文芸館の概要

城崎文芸館は、城崎温泉を訪れた作家や文豪、文人墨客の作品を展示・紹介する資料館です。特に、志賀直哉が城崎温泉滞在中の出来事を題材にした小説『城の崎にて』が有名で、彼をはじめ白樺派の作家たちや、与謝野鉄幹・与謝野晶子、島崎藤村、白鳥省吾、司馬遼太郎などの作品が展示されています。これらの展示を通じて、訪れる人々は城崎温泉と文学との深い関わりを感じることができます。

城崎文芸館の歴史

城崎文芸館は、1977年(昭和52年)11月8日に城崎郡城崎町で城崎町文芸館として開館しました。城崎温泉は古くから多くの文人たちに愛されてきましたが、1925年(大正14年)の北但馬地震の際に発生した大火災で、多くの直筆資料が焼失してしまいました。こうした貴重な文化財を守り、温泉の歴史を後世に伝えるため、文芸館が設置されました。当初の施設は、江戸時代からあった土蔵を借りて改装したものでした。

その後、2005年(平成17年)4月1日に城崎町が豊岡市などと合併し、新たに豊岡市が発足したため、名称が豊岡市立城崎文芸館に改称されました。

展示内容のリニューアル

2016年(平成28年)10月、城崎文芸館は現施設がオープンしてから20年を迎えたのを機に、大幅に展示内容をリニューアルしました。これにより、従来の展示作品に加え、現代の作家に焦点を当てた企画展も開催されるようになりました。企画展は半年ごとにテーマが変更され、第1回企画展では「万城目学と城崎温泉」をテーマに、第2回企画展では湊かなえと城崎の関わり、その素顔を紹介する内容で行われました。

城崎文芸館の施設構成

現在の施設は、1996年(平成8年)に建築されたもので、1階と2階にわたる展示スペースが設けられています。

1階(無料スペース)

1階には、城崎温泉の歴史と記憶を伝える展示室「城崎温泉の記憶」があり、訪れた文人たちの足跡を感じることができます。また、ショップ&サロン「SHOP&SALON KINOBUN」やインフォメーションスペース、屋外には手足湯も設置されています。

1階(有料スペース)

1階の有料スペースには、企画展示室があり、ここでは半年ごとにテーマを変えた展示が行われます。現代作家の作品や城崎温泉に関連する特別な展示が楽しめます。

2階(有料スペース)

2階には、常設展示室が2つあり、1つ目は「志賀直哉と城崎温泉、そして白樺派」、2つ目は「城崎温泉と文人墨客」というテーマで展示が行われています。これらの展示室では、城崎温泉を訪れた文人たちの深い交流や作品が紹介され、訪れる人々に城崎温泉の文学的な魅力を伝えています。

利用情報

城崎文芸館は、午前9時から午後5時まで開館しており、毎月最終水曜日が休館日となっています(祝日の場合は翌日に振替)。入館料は大人500円、中高生300円で、気軽に訪れることができます。

交通アクセス

城崎文芸館へのアクセスは、JR西日本山陰本線の城崎温泉駅から徒歩5分と非常に便利です。城崎温泉を訪れた際には、ぜひ立ち寄ってみてください。

城崎文芸館は、城崎温泉の豊かな文学的遺産を保存し、訪れる人々にその魅力を伝える重要な施設です。古き良き温泉地と文学の世界が交錯するこの場所で、時を超えた文人たちの息吹を感じることができるでしょう。

Information

名称
城崎文芸館
(きのさき ぶんげいかん)

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