うろこの家の歴史
うろこの家は、明治38年(1905年)頃に神戸旧居留地に外国人向けの高級借家として建設されました。その後、大正年間に現在の北野町に移され、ドイツ人R.ハリヤーの住居となりました。そのため、「旧ハリヤー邸」とも呼ばれることがありますが、現在では「うろこの家」という名前で親しまれています。
館内の展示品
うろこの家の館内には、歴史的価値のある家具や調度品が展示されており、マイセンをはじめとする陶磁器、エミール・ガレやティファニーのガラス工芸品などが揃っています。これらの展示品は、時代の流れを感じさせるとともに、当時の西洋文化を伝えています。また、うろこの家は国の登録有形文化財に指定されており、兵庫住宅百選にも選ばれています。
うろこの家とゲーム文化
うろこの家は、Windowsゲーム『Fate/stay night』や『Rewrite』でロケハンやモデルとして使用されたことでも知られています。これにより、ゲームファンの間でも人気のスポットとなっています。
うろこ美術館の概要
うろこの家の西隣には、うろこ美術館が建設されています。標高150メートルの高台に位置するこの美術館は、3階部分が堀江優の絵画展示場となっており、神戸港を一望できる絶景を楽しむことができます。
うろこ美術館の主な所蔵品
うろこ美術館では、ルノアール、トロワイヨン、ルオー、キスリング、マチス、ユトリロ、ビュッフェなど、近代ヨーロッパを代表する著名画家の油彩画やロシアの絵画が展示されています。また、日本人画家堀江優の作品も展示されており、多彩なコレクションを楽しむことができます。
代表的な作品
- ユトリロ 「ミミの家」
- ビュッフェ 「アナベラ像」
- コンスタン・トロワイヨン 「フォンテンブロー 狩人のいる風景」
- ラドヴィッチ 「タシュの教会」
- エドモン=フランソワ・アマン=ジャン 「マリー・ローランサンの肖像」
- モイズ・キスリング 「赤い膝掛けの裸婦」
- モーリス・ドニ 「母と子」
- マチス 「ニースの花」
- アンドリュー・ワイエス 「階段」1917
- ウジェーヌ・カリエール 「想い出」
- ナスリィーイフ 「写生」
- トラン 「ブローニュの占い」
- ラファエル・コラン 「微風」
- サレンティン 「想い出」
- ノエル 「嵐のち晴れ」
- 堀江優 「リベカ」、「信ぜよ」、「最後の晩餐」
訪問のための情報
開館時間と休館日
うろこの家・うろこ美術館は、9:00から18:00まで開館していますが、10月中旬から3月中旬にかけては17:00に閉館します。年中無休で営業しており、季節や天候に左右されずに訪れることができます。
入館料
入館料は、大人1000円、小学生以下300円となっています。通常の異人館の入館料は無料から500円程度ですが、うろこ美術館を併設しているため、この料金設定となっています。
建築概要
うろこの家は、1905年(明治38年)頃に建築された木造の建物で、地上2階建ての塔屋付き構造です。外壁には天然スレートが使用され、切妻屋根と黒桟瓦葺が特徴的です。この建物は、兵庫県神戸市中央区北野町2-20-4に所在しています。
アクセス情報
うろこの家・うろこ美術館へのアクセスは、新神戸駅から徒歩15分、JR三ノ宮駅や阪急・阪神の神戸三宮駅から徒歩20分となっています。地下鉄やポートライナーも利用可能で、各駅からも徒歩20分程度で到着します。
周辺の観光スポット
うろこの家・うろこ美術館の周辺には、北野町山本通やプラトン装飾美術館、旧ドレウェル邸(ラインの館)、山手八番館(旧サンセン邸)など、他の異人館や観光名所が点在しています。これらのスポットを合わせて訪れることで、神戸の歴史と文化をより深く楽しむことができます。