ゴンドラ
六甲有馬ロープウェーでは、過去と現在で使用されているゴンドラについても興味深い点があります。
2代目ゴンドラ(1993年製)
- メーカー:武庫川車両工業
- 定員:61人
3代目ゴンドラ(2020年製)
このゴンドラは、日本初導入のCWA製で、定員42人です。最新の設備であり、快適な乗り心地を提供しています。
六甲有馬ロープウェーの歴史
六甲有馬ロープウェーの歴史は、地域の発展とともに歩んできました。以下にその主な出来事をまとめます。
- 1969年:六甲有馬ロープウェー株式会社が設立。
- 1970年:裏六甲線(有馬線)および表六甲線が開業。
- 1972年:神戸市都市整備公社が事業を承継。
- 1995年:阪神・淡路大震災により全線不通。その後、復旧により運行再開。
- 2004年:表六甲線が運行休止。以後、有馬線が唯一の運行路線となる。
- 2014年:日本初の省エネシステムを導入し営業再開。
- 2023年:こうべ未来都市機構に運営が移管。
駅一覧
六甲有馬ロープウェーの有馬線には、以下の駅があります。
六甲山頂駅
六甲山の自然を楽しむ拠点として、観光客に親しまれています。
有馬温泉駅
有馬温泉の観光地として知られ、温泉街へのアクセスも容易です。六甲有馬ロープウェーの有馬温泉駅と神戸電鉄有馬線の有馬温泉駅は約15分の距離にあります。
表六甲線の現状と課題
表六甲線は、ピーク時に比べて乗客数が減少し、設備更新に多額の費用がかかることから、2004年12月19日をもって運行が休止されました。この路線は瀬戸内海国立公園内にあるため、廃止するには自然公園法に基づく原状回復が必要です。これには支柱の完全撤去や土砂崩れのリスクが伴い、莫大な費用がかかることから、現在も休止状態が続いています。
天狗岩駅と表六甲駅の特異な仕組み
表六甲線は、天狗岩駅で路線が曲がる特殊な構造を持っています。表六甲駅から天狗岩駅、天狗岩駅から六甲山頂カンツリー駅まで、それぞれに2台ずつの搬器が配置され、計4台が同時に動く珍しい仕組みとなっていました。
路線データ
以下は、六甲有馬ロープウェーの有馬線に関する基本的な路線データです。
- 全長(傾斜長):2764メートル
- 高低差:441メートル
- 最大勾配:28度17分
- 走行方式:3線交走式(日本で2番目の長さを誇る)
- 最高運転速度:5メートル毎秒
- 所要時間:12分
- 支柱数:7基
- 省エネシステム:回生ブレーキおよび大型蓄電装置
まとめ
六甲有馬ロープウェーは、六甲山と有馬温泉を結ぶ大切な交通手段であり、観光地としても多くの人々に利用されています。その歴史や技術の進化、省エネ対策の導入など、多くの側面から興味深い施設です。現在は有馬線のみが運行されていますが、表六甲線の復活が期待される日も遠くないかもしれません。