美術館の概要
設計と建築
兵庫県立美術館は、著名な建築家安藤忠雄によって設計されました。美術館は前面に広がるなぎさ公園と一体化する形で設計されており、館内は訪れる人々が建物自体を鑑賞できるような独特の空間を提供しています。通路が巡らされ、各所で建築美を堪能できるような設計が施されています。
さらに、2019年5月には安藤忠雄の建築模型やドローイングを常設展示する「Ando Gallery」がオープンしました。この施設は安藤忠雄建築研究所が設計・施工費用を負担し、建物を兵庫県に寄贈したもので、建築そのものが一つの展示物となっています。
前身と分館
兵庫県立美術館の前身である兵庫県立近代美術館は、1970年に村野藤吾の設計で開館しました。この建物は現在、兵庫県立美術館の分館「原田の森ギャラリー」および「横尾忠則現代美術館」として利用されています。これらの分館を含めた兵庫県立美術館の総延床面積は37,894m²となり、規模の大きさでも注目されています。
収蔵品とコレクション
主な収蔵品
兵庫県立美術館は、7,000点以上の多彩な作品を所蔵しています。収蔵品の柱となるのは「内外の近代彫刻」「近代版画」「郷土ゆかりの美術」、そして後に加わった「現代美術」の4つです。
また、2019年には「頴川コレクション」(頴川美術館旧蔵の日本近世絵画や茶道具)と「梅舒適コレクション」(中国近世・近代の書画、篆刻)が新たに加わり、さらに充実した内容となっています。これにより、兵庫県立美術館は国内外の多様な美術作品を楽しむことができる場所となっています。
収蔵作家と作品
洋画: 本多錦吉郎、神中糸子、岸田劉生、小出楢重、岡田三郎助、安井曽太郎、前田寛治、和田三造、菅井汲など。
日本画: 村上華岳、竹内栖鳳、富岡鉄斎、橋本関雪、東山魁夷、三谷十糸子、水越松南、山下摩起、直原玉青など。
彫刻: オーギュスト・ロダン、エドガー・ドガ、ポール・ゴーギャン、アリスティド・マイヨール、マリノ・マリーニ、ジョージ・シーガル、オシップ・ザッキン、ジャコメッティ、棟方志功、淀井敏夫、佐藤忠良、舟越保武など。
版画: ゴヤ、エドゥアール・マネ、ジャスパー・ジョーンズ、アンディ・ウォーホル、カンディンスキー、ピカソ、長谷川潔、池田満寿夫、小林清親、東山魁夷、小林古径、井上安治など。
主な施設
兵庫県立美術館は、以下の施設を含んでいます。これらの施設を通じて、さまざまな展示やイベントが行われています。
- 企画展示室 1-3
- 常設展示室 1-6
- 金山平三記念室
- 小磯良平記念室
- レクチャールーム
- ミュージアムホール(2024年度から2026年度まで「KOBELCOミュージアムホール」)
- 美術情報センター
- ギャラリー
- アトリエ 1-2
- レストラン・カフェ
建築概要
兵庫県立美術館の建築は、以下の通りです。
- 設立: 2002年
- 竣工: 2001年
- 建築設計: 安藤忠雄建築研究所
- 設備設計: 森村設計
- 敷地面積: 19,000m²
- 建築面積: 12,807.71m²
- 延床面積: 27,461.41m²
- 所在地: 〒651-0073 兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1丁目1番1号
- 備考: 第46回BCS賞受賞(2005年)
交通アクセス
兵庫県立美術館へのアクセスは、以下の交通手段が便利です。
- 阪神本線岩屋駅から南へ徒歩で約8分
- JR神戸線灘駅から南へ徒歩で約10分
- 阪急神戸本線王子公園駅から南西へ徒歩で約20分
- 山陽新幹線新神戸駅からタクシーで約10分
- 神戸市バス・阪神バス 県立美術館前バス停すぐ
周辺情報
兵庫県立美術館の周辺には、以下の施設や観光スポットがあります。訪れる際にぜひ立ち寄ってみてください。
- 人と防災未来センター
- BBプラザ美術館
- 神戸市立王子動物園
- ブルメールHAT神戸
以上が兵庫県立美術館の概要となります。豊かな芸術の世界に触れることができるこの場所を、ぜひ訪れてみてください。