概要
1992年に開館したこの美術館は、延床面積約4000平方メートルにわたり、小磯良平氏の作品を中心に約2500点の作品を収蔵しています。個人美術館としては日本でも有数の規模を誇り、芸術文化の発信地として高い評価を受けています。
アトリエの復元
美術館の北側にある六甲アイランド公園内には、東灘区御影にあった小磯良平氏のアトリエが昭和24年(1949年)に竣工当時の状態で復元され、移築されています。このアトリエは、美術館の一部として公開され、来館者が画家の創作環境に触れることができます。
館内の設備
館内には3つの展示室があり、様々な企画展や特別展が行われています。また、110型大画面のハイビジョン映像を鑑賞できるホールもあり、小磯良平氏や世界の名画を紹介する映像作品が常時上映されています。他にも、図書コーナーや絵画学習室、喫茶室、ミュージアムショップなど、来館者が快適に過ごせる設備が整っています。
沿革
神戸市立小磯記念美術館の設立に至るまでの歴史もまた、興味深いものです。1988年12月16日に小磯良平氏が逝去した後、1989年6月には遺族から2000点以上の作品が神戸市に寄贈されました。1990年2月には神戸市立博物館において「受贈記念特別展・小磯良平展」が開催され、その後1992年11月に神戸市立小磯記念美術館が正式に開館しました。しかし、1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災により建物が被害を受け、しばらく休館を余儀なくされましたが、同年10月に復旧し、再び開館しました。2008年10月23日には、累計入館者数が100万人を突破しました。
小磯良平大賞展
小磯良平大賞展は、国内最高賞金である1000万円を誇る公募展として知られています。この展覧会はトリエンナーレ形式で行われており、多くの芸術家たちにとって登竜門的な存在となっています。
主な所蔵品
神戸市立小磯記念美術館には、小磯良平氏の代表作が多数収蔵されています。以下にその一部を紹介します。
- 「自画像」(1926年) - 小磯良平
- 「着物の女」(1936年) - 小磯良平
- 「二人裸婦」(1949年) - 小磯良平
- 「働く人びと」(1953年) - 小磯良平
- 「リュートのある静物」(1966年) - 小磯良平
- 「マヌキャン」(1972年) - 小磯良平
- 「空間」(1951年) - 西村元三朗
建物概要
美術館の建物は、延床面積3971.1平方メートルで、3つの展示室、小磯良平アトリエ(昭和24年当時の状態で復元)、ハイビジョンギャラリー、図書コーナー、絵画学習室、喫茶室、ミュージアムショップが設けられています。
交通アクセス
美術館は、兵庫県神戸市東灘区向洋町中5丁目7に位置しており、六甲ライナー「アイランド北口駅」から徒歩3分の距離にあります。2018年7月20日より、小磯記念美術館はネーミングライツを取得しており、「小磯記念美術館前」の副駅名が付けられています。
周辺情報
美術館周辺には、神戸ファッション美術館や神戸ゆかりの美術館、神戸ファッションマート、神戸ファッションプラザ、リバーモール、アーバングルメポート、カネディアン・アカデミーなど、多くの観光スポットがあります。これらの施設と併せて訪れることで、充実した1日を過ごすことができるでしょう。