約2,500点の作品を収蔵する美術館
1992年11月に開館した同館は、延床面積約4,000平方メートルの規模を持ち、小磯良平の作品を中心に約2,500点を収蔵しています。個人の画業を紹介する美術館として充実したコレクションを誇り、神戸の芸術文化を発信する拠点となっています。
館内には3つの展示室が設けられ、所蔵作品を紹介する展示のほか、さまざまな企画展や特別展が開催されています。訪れる時期によって異なる作品やテーマに出会えるため、何度足を運んでも新たな発見があります。
小磯良平の創作空間を伝えるアトリエ
美術館の北側にある六甲アイランド公園内には、小磯良平が創作活動を行ったアトリエが移築・復元されています。もとは神戸市東灘区御影にあったもので、昭和24年(1949年)の竣工当時の姿を再現しています。
公開されているアトリエでは、作品が生み出された場所の雰囲気に触れながら、画家の創作活動に思いを巡らせることができます。完成した絵画だけでなく、制作の背景や画家の日常にも関心がある方におすすめの見どころです。
映像や学習設備も充実
館内には、110型の大画面でハイビジョン映像を鑑賞できるホールがあり、小磯良平や世界の名画を紹介する映像作品が上映されています。作品を鑑賞するだけでなく、美術や画家について理解を深められるのも魅力です。
このほか、図書コーナー、絵画学習室、喫茶室、ミュージアムショップなども備えられています。展示鑑賞の合間に休憩したり、美術に関する資料を調べたりと、自分のペースでゆっくり過ごせます。
開館までの歩みと震災からの復旧
1988年12月16日に小磯良平が亡くなった後、1989年6月には遺族から2,000点以上の作品が神戸市に寄贈されました。これを受け、1990年2月には神戸市立博物館で「受贈記念特別展・小磯良平展」が開催され、その後、1992年11月に神戸市立小磯記念美術館が正式に開館しました。
1995年1月17日の阪神・淡路大震災では建物が被害を受け、一時休館を余儀なくされましたが、同年10月に復旧し、再び開館しました。2008年10月23日には累計入館者数が100万人を突破し、多くの人々に親しまれる美術館として歩みを重ねています。
小磯良平大賞展と現代の美術
同館に関連する美術イベントの一つに、小磯良平大賞展があります。トリエンナーレ形式で開催される公募展として知られ、多くの芸術家が作品を発表する機会となってきました。小磯良平の芸術を顕彰するだけでなく、新たな才能や現代の絵画表現に触れられる点も魅力です。
見逃せない主な所蔵作品
収蔵品には、小磯良平の画業をたどるうえで重要な作品が数多く含まれています。代表的な作品として、1926年の「自画像」、1936年の「着物の女」、1949年の「二人裸婦」、1953年の「働く人びと」、1966年の「リュートのある静物」、1972年の「マヌキャン」などが挙げられます。
また、西村元三朗による1951年の作品「空間」も所蔵されています。展示内容は時期によって異なるため、特定の作品を鑑賞したい場合は、訪問前に展示情報を確認するとよいでしょう。
六甲アイランドの文化施設巡り
美術館の周辺には、神戸ファッション美術館や神戸ゆかりの美術館、神戸ファッションマート、神戸ファッションプラザなど、文化やショッピングを楽しめる施設が集まっています。リバーモールやアーバングルメポートなどもあり、展示鑑賞と食事、街歩きを組み合わせた一日を過ごすことができます。
神戸市立小磯記念美術館へのアクセス
美術館は、兵庫県神戸市東灘区向洋町中5丁目7にあります。六甲ライナーのアイランド北口駅から徒歩約3分と、公共交通機関で訪れやすい立地です。2018年7月20日からは、駅に「小磯記念美術館前」の副駅名が付けられています。
小磯良平の絵画をじっくり鑑賞したい方はもちろん、画家の創作環境や神戸の芸術文化に触れたい方にもおすすめの美術館です。展示室と復元アトリエを巡りながら、日本近代洋画の魅力を味わってみてはいかがでしょうか。