建築の特徴
神戸ポートタワーは、世界初のパイプ構造を採用した建造物です。和楽器の鼓をイメージした双曲面構造の外観が特徴的で、設計当初は銀色に塗装される予定でしたが、航空法に基づき現在の黄赤と白の組み合わせに変更されました。このタワーは、日本で初めてライトアップされた建造物でもあり、神戸の夜景を彩る重要な存在となっています。
ライトアップ
神戸ポートタワーは、通常赤色にライトアップされていますが、LED照明の導入により、様々な色で照らすことが可能となりました。これにより、特別なイベント時には青や白などのカラーでタワーや周辺地域がライトアップされ、より一層の魅力を発揮しています。
歴史
神戸ポートタワーの建設は、神戸港開港90周年を記念して、1962年8月13日に開始されました。建設を担当したのは大林組で、翌年の1963年11月に完成しました。当時、タワーは中突堤の中ほどに位置しており、港を一望できる絶好の場所として多くの人々に愛されました。1995年の阪神淡路大震災では、タワー自体はほとんど損傷を受けず、震災からわずか1ヶ月後にライトアップが再開され、復興の象徴となりました。
改修とリニューアル
神戸ポートタワーは、2009年12月から2010年3月にかけて、神戸市によって大規模な改修工事が行われました。総事業費は約3億3,000万円に及び、鉄塔の塗り直しやLEDによる新しいライトアップシステムの導入、展望室のリニューアル、バリアフリー化などが実施されました。さらに、2010年4月にはリニューアルオープンし、40種類のイルミネーション演出が可能となりました。
その後、タワーは2021年9月27日から老朽化対策や耐震性強化のために休館となり、2024年4月26日にリニューアルオープンしました。リニューアル後のタワーでは、360度の風景を一望できるガラス張りの屋上展望フロアが新設され、低層フロアには屋外テラス付きの飲食店がオープンしました。
受賞歴
神戸ポートタワーは、その優れた建築デザインと技術により、第15回日本建築学会賞(1963年)、建築業協会優良建築賞(BCS賞)、照明学会照明普及会賞など、数々の賞を受賞しています。
交通アクセス
神戸ポートタワーへのアクセスは、以下の通りです:
- JR神戸線(東海道本線)・阪神本線・神戸高速線「元町駅」から徒歩15分
- 阪急神戸高速線「花隈駅」から徒歩15分
- 神戸市営地下鉄山手線「県庁前駅」から徒歩20分
- 神戸市営地下鉄海岸線「みなと元町駅」から徒歩5分
周辺の名所・文化施設
神戸ポートタワー周辺には、以下のような観光スポットや文化施設が点在しています:
- 中突堤
- メリケンパークオリエンタルホテル
- 神戸海洋博物館
- 神戸港震災メモリアルパーク
- 神戸ハーバーランド
- 旧居留地
- 南京町
これらの施設と共に、神戸ポートタワーは神戸港の観光の中心地として多くの人々に親しまれています。
沿革
神戸ポートタワーの重要な出来事を以下にまとめます:
- 1962年8月13日 - 神戸ポートタワー起工
- 1963年11月20日 - 神戸ポートタワー竣工
- 1987年4月29日 - 神戸海洋博物館竣工
- 2009年12月 - 大規模改修工事開始
- 2010年4月28日 - リニューアルオープン
- 2021年9月27日 - 耐震化工事のため休館
- 2024年4月26日 - リニューアルオープン
まとめ
神戸ポートタワーは、神戸港のシンボルとして、また観光の中心地としての役割を果たしてきました。独特のデザインと歴史を持つこのタワーは、これからも神戸のランドマークとして多くの人々に愛され続けることでしょう。