兵庫県 » 神戸・有馬(有馬温泉)

花時計(神戸市)

(はなどけい)

神戸市中央区の東遊園地に設置されている「花時計」は、日本で初めて設置された花時計として広く知られています。このモニュメントは、神戸市民や市内企業の寄付によって製作され、長年にわたって市民の愛着を集めてきました。

花時計の設置とその背景

設置の経緯と市民の協力

第13代神戸市長の宮崎辰雄が1950年代前半に日本初の花時計の製作計画を提案しました。この計画は、神戸市民や市内企業から好意的に受け入れられ、寄付金が多数寄せられました。これにより、「市民有志から神戸市への寄贈」という形で花時計が設置されました。

宮崎市長がこの計画を提案した背景には、スイスのジュネーヴでイギリス公園の花時計を視察した経験があります。その感動が神戸に花時計を設置する動機となりました。

設置の進行と稼働開始

花時計の製作は、神戸市役所の第4代本庁舎の建設と並行して進められ、1957年4月26日に庁舎の北側で稼働を開始しました。稼働開始時には、盛大な始動式が催されました。

阪神・淡路大震災と花時計の復活

震災による被害と再稼働

1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災により、神戸市役所の2号館が大きな被害を受け、花時計も一時停止しました。しかし、震災からわずか2ヶ月後の3月末には稼働を再開し、「よみがえれKOBE!がんばれ神戸っこ!!」という力強いメッセージが花で描かれました。

移設と新たな役割

神戸市役所の老朽化に伴い、2018年には2・3号館の建て替え計画が発表され、花時計も東遊園地に移設されることとなりました。2019年3月28日から東遊園地の南端で新たに稼働を再開し、現在に至っています。移設後も、花時計は神戸ルミナリエの会場として使用されるなど、市民の心に残る存在として続いています。

花時計の構造とメンテナンス

花時計の形状と維持管理

花時計は直径6m、傾斜角度15度の文字盤を持ち、四季折々の花が植えられています。移設後もこの形状はほぼ維持され、神戸市役所の建設局がその維持管理を担当しています。花の種類や植え替えの頻度は、季節ごとに変わり、年8回ほど行われています。

文字盤と使用される花

文字盤には、パンジー、ヒナギク、ベゴニア、モヨウビユ、コギク、ハボタンなどの季節の花が植えられます。これらの花は、当初は相楽園内で栽培され、現在は須磨離宮公園内で栽培されています。花時計のデザインは、市民からの公募作品を基に年4回ほど変更されます。

針と機械室

時計の針はステンレス製で、時針、分針、秒針のそれぞれが異なる長さと重さを持っています。花時計の地下には機械室が設置され、電力で駆動されています。停電時にはバッテリーが作動する仕組みとなっており、防水対策も施されています。

防犯対策

1985年以降、花時計への悪戯が増加したため、神戸市は赤外線式と熱感知式の防犯センサーを設置しました。これにより、夜間に侵入者があった場合には防犯ベルが鳴るようになっています。

花時計の未来

東遊園地に移設された花時計は、現在も多くの市民に親しまれています。市役所の再整備計画においても、花時計は「恒久的な施設」として位置づけられており、神戸の象徴としての役割を今後も担い続けることでしょう。

Information

名称
花時計(神戸市)
(はなどけい)

神戸・有馬(有馬温泉)

兵庫県