設立の目的と概要
人と防災未来センターは、阪神・淡路大震災から得た貴重な教訓を未来に継承し、国内外の地震災害による被害軽減に貢献することを目的に設立されました。また、生命の尊さや共生の重要性を世界に発信する役割も担っています。
研究活動と支援
センターには調査研究機関が併設され、常勤の助教・准教授相当の研究員や非常勤の大学教授クラスの上級研究員が所属しています。これらの研究員は、「スーパー広域震災時の大都市間連携情報の高度化」や「大都市大震災における復興政策総合評価システムの構築」といった研究プロジェクトを進めています。
災害発生時には、内閣府や兵庫県と連携して被災自治体の支援を行い、適切な情報提供を通じて被害軽減や復旧・復興に寄与しています。また、震災や防災に関する資料の収集・蓄積・体系化・データベース化も継続的に行い、自治体首長向けのトップフォーラムや災害対応専門研修を実施しています。
さらに、アジア防災センターなどの国際研究機関と連携し、国際防災・人道支援協議会(DRA)を組織するなど、国際的な防災・人道支援の拠点としての役割も果たしています。
館内展示と体験フロア
センターの館内には、阪神・淡路大震災に関連する展示が多数あります。その中でも特に注目されるのが、震災追体験フロア(1.17シアター)です。このフロアでは、地震で破壊された町や鉄道・高速道路を詳細に再現した映像「5:46の衝撃」が上映されており、震災の恐ろしさとその影響をリアルに感じることができます。
この映像は非常にリアルな内容であるため、小さい子供や妊婦、被災体験のある方には視聴を控えるよう案内がなされています。また、このセンターは学校の修学旅行や自治会・町内会の研修にも広く利用されており、公式ホームページでは実際に訪れた人々の声が公開されています。
設立と発展の歴史
施設の開館
人と防災未来センターは、2002年4月に第1期工事が完了し、「防災未来館」(現在の西館)が開館しました。翌年の2003年4月には、第2期工事が完了し、「ひと未来館」(現在の東館)が開館しました。しかし、2009年3月には「ひと未来館」が入場者数の低迷により閉館されました。
2010年1月には、旧「防災未来館」を「西館」、旧「ひと未来館」を「東館」として、一体的な運営が開始され、現在に至っています。
土木学会選奨土木遺産
館内に展示されている阪神・淡路大震災の被災道路構造物は、2018年に「阪神・淡路大震災による被災構造物群」の一部として、土木学会選奨土木遺産に選ばれています。これにより、センターは震災の歴史的な遺産としての価値も持ち合わせる施設となっています。
主要な施設と機能
センター内の主な施設
人と防災未来センターには、多くの機能的な施設が整っています。以下はその一部です:
- ガイダンスルーム
- 震災追体験フロア
- 震災の記憶フロア
- 防災・減災体験フロア
- 水と減災について学ぶフロア
- こころのシアター
- 共同研究室、研究室
- プレゼンテーション室
- セミナー室
- カレッジ講義室
- 交流サロン
- 資料室
主な入居機関
センター内には、国際的な防災・復興に関わる以下のような機関が入居しています:
- 国際防災復興協力機構(IRP)
- アジア防災センター
- 地震防災フロンティア研究センター
- 国際連合人道問題調整事務所アジアユニット
- 国際連合地域開発センター防災計画事務所
- ひょうご震災記念21世紀研究機構
- 兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科(兵庫県立大学神戸防災キャンパス)
交通アクセス
人と防災未来センターへのアクセスは非常に便利です。以下の交通手段を利用することができます:
- 阪神本線「岩屋駅」から徒歩6分
- JR神戸線(東海道本線)「灘駅」から徒歩10分
- 神戸市バス・阪神バスの「人と防災未来センターバス停」からすぐ
周辺の観光スポット
センターの周辺には、以下のような観光スポットがあります:
- 兵庫県立美術館
- 兵庫県立美術館 原田の森ギャラリー
- WHO健康開発総合研究センター(WHO神戸センター・WKC)
- 神戸市立王子動物園