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六甲ケーブル

(Kobe Mt. Rokko Cable Car)

神戸六甲鉄道 六甲ケーブル線は、兵庫県神戸市灘区に位置する神戸六甲鉄道が運営する鋼索鉄道線です。このケーブルカー路線は、六甲ケーブル下駅から六甲山上駅までを結んでおり、六甲山の観光に欠かせない重要な交通手段となっています。

路線の基本情報

六甲ケーブル線は、六甲山を登るケーブルカーですが、六甲山の最高峰はさらに3.7km北東に位置しています。六甲山上駅では、同じく神戸六甲鉄道が運行する六甲山上バスと接続しており、このバスを利用することで、有馬温泉までアクセスすることが可能です。

駅舎の歴史と特徴

六甲山上駅の駅舎は、創業当時のアールデコ調の建物が現在も使用されており、歴史的価値があるとして大切に保存されています。駅では、コンサートなどのイベントも開催され、文化的な交流の場としても機能しています。

また、六甲ケーブル下駅の駅舎も当初は六甲山上駅と類似したデザインでしたが、1938年の阪神大水害による被害を受け、現在の山小屋風建築に建て直されました。

運行形態と所要時間

六甲ケーブル線は、通常20分間隔で運行され、所要時間は約10分です。大型連休や行楽シーズンには、15分間隔での増発運転が行われることもあります。

車両の特徴と歴史

現在運行されている車両は3代目で、1999年から運行を開始しました。2両連結の車両で、山下側の車両は展望車として設計されており、車体の上半分が外気に開放されています。この展望車はトロッコ車両のような形状で、風を感じながら景色を楽しむことができます。

車両の塗装は、赤と深緑を基調とした「クラシックタイプ」と、緑と薄茶色を基調とした「レトロタイプ」の2種類があり、前者は神戸市電、後者は阪神電鉄の創業時の車両をイメージしています。

過去の車両について

2代目車両は1959年に日立製作所で製造されたもので、初めて展望車つきの2両編成が導入されました。この車両は、丸みをおびたボンネット形の前面が特徴で、側面には4扉が設けられています。塗装は黄色をベースに、1・3号車は赤のラインを、2・4号車は緑のラインを配していました。

六甲ケーブル線の歴史

六甲ケーブル線は、1932年(昭和7年)3月10日に六甲越有馬鉄道により開業しました。当初は土橋駅(現在の六甲ケーブル下駅)から清水駅を経て六甲山駅(現在の六甲山上駅)までの路線で、途中の清水駅で乗り継ぐ必要がありました。

1938年(昭和13年)の阪神大水害により全線が不通となりましたが、8月には仮復旧され、再び運行が再開されました。しかし、1944年(昭和19年)には不要不急線として路線が休止され、運行は停止しました。

戦後の再開と発展

戦後の1945年8月25日、六甲ケーブル線の運行は再開されました。1959年には2代目車両が導入され、その後も昭和天皇や皇太子夫妻の乗車など歴史的な出来事が続きました。1995年の阪神・淡路大震災では再び不通となりましたが、同年7月21日には運行が再開されました。

1999年には、現在の3代目車両が導入され、六甲ケーブル線はさらに進化を遂げました。

資産承継と上下分離方式への移行

2023年12月8日、六甲ケーブル事業に関する資産承継に関して阪神電鉄との合意が成立し、翌2024年4月1日からは上下分離方式に移行しました。これにより、阪神電鉄が設備を保有し、神戸六甲鉄道が運行と設備管理を担当することになりました。

接続路線とアクセス

六甲ケーブル線は、六甲ケーブル下駅と六甲山上駅の2駅間を結んでいます。

六甲ケーブル下駅

六甲ケーブル下駅では、神戸市営バスの16系統および26系統が接続しています。また、表六甲ドライブウェイを通る阪急バスがかつて運行していたが、現在では廃止されています。

六甲山上駅

六甲山上駅では、六甲山上バスおよび六甲摩耶スカイシャトルバスと接続しており、さらに六甲有馬ロープウェーを利用して有馬温泉へもアクセスできます。

六甲ケーブル線の未成線と沿革

六甲ケーブル線の前身である六甲越有馬鉄道は、御影町から有馬温泉までを結ぶ鉄道敷設免許を取得していました。当初は5か所のケーブルカー区間がある計画でしたが、莫大な建設費や技術的な問題から計画は変更され、最終的には現在の形で開業しました。

この計画の一部は実現されず、1937年に鉄道敷設免許は失効しましたが、その後も六甲ケーブル線としての運行は続いています。

駅一覧

Information

名称
六甲ケーブル
(Kobe Mt. Rokko Cable Car)

神戸・有馬(有馬温泉)

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