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大倉山公園(神戸市)

(おおくらやま こうえん)

大倉山は、兵庫県神戸市中央区の西部に位置する小丘で、その名称は明治維新の中で御用商人として活躍し、一代で財閥を築いた大倉喜八郎が安養寺山の約八千坪の土地を買い取り、その後神戸市に寄贈したことに由来しています。現在、このエリアの大部分は公園となっており、地図上では「大倉山公園」として知られています。

地理的な位置と特徴

大倉山は、住居表示上では神戸市中央区楠町七丁目に属し、古くは「安養寺山」と称されていました。標高はかつて55.7メートルとされていましたが、山頂が削られて公園や野球場が整備されたため、現在では約41メートルとなっています。

「大倉山」という名称は、「地下鉄大倉山駅」、「大倉山ゾーン」、「大倉山線(都市計画道路)」、「大倉山交番」など、行政機関やその他の場所でも広く使用されており、楠町に限定されずに親しまれています。

大倉山公園

大倉山公園の歴史と整備

大倉山公園は、明治43年(1910年)に当時の大実業家である大倉喜八郎が、別荘として所有していた土地を神戸市に寄贈したことにより整備されました。その後、昭和50年(1975年)頃には現在の公園の姿に近い形に整備されました。公園の面積は約7.9ヘクタールで、園内には「ふるさとの森」、大倉山公園野球場(有料)、神戸市立図書館、児童遊園などが設置されています。

公園内の特徴

公園内には、多くの彫刻やモニュメントが設置されており、緑豊かな景観とともに歴史の深さを感じさせる造りとなっています。特に、園内には伊藤博文公の銅像台座が残されており、これはかつて公園にあった銅像が太平洋戦争中の金属供出により撤去されたものです。また、大倉山公園の東側には清風児童館・清風公民館があり、地域住民の交流の場となっています。

大倉山ゾーン

神戸市の都市景観形成地域

神戸市は、都市景観条例に基づき、神戸らしい都市景観を形成している地域や、その形成を促進するべき地域を「都市景観形成地域等」として指定しています。1985年には「神戸駅・大倉山都市景観形成地域」が指定され、景観法の制定に伴い、2006年にはこの地域が「景観計画区域」に移行しました。

大倉山ゾーンの概要

大倉山ゾーンは、大倉山が位置する楠町から神戸駅に向かって、橘通、多聞通を含む地域を指します。この地域では、建築物の意匠や高さ、幅などに対して厳しい制限が設けられており、神戸らしい景観の維持と向上を目指した取り組みが進められています。

大倉山からの眺望

大倉山の風景と周辺施設

大倉山からの眺望は、神戸市の西部に広がる風景を一望できることで知られています。2007年1月の写真には、大倉山の遠景が収められており、神戸市立山の手小学校や神戸海洋気象台跡地が確認できます。また、1982年4月の写真では、当時の神戸市立生田中学校の姿も見ることができます。

周辺施設

大倉山公園の周辺には、神戸市立中央図書館や楠寺こと醫王山廣嚴寺(臨済宗南禅寺派)、大悲山安養寺(浄土宗)など、歴史的な施設や宗教施設が点在しています。また、東側には宇治川が流れており、自然環境にも恵まれた地域となっています。

まとめ

大倉山は、兵庫県神戸市中央区に位置する歴史的な小丘であり、その名称や公園の整備は、大実業家大倉喜八郎の寄贈によるものです。現在では、地域住民や観光客に親しまれる憩いの場として機能しており、神戸市の都市景観形成に重要な役割を果たしています。今後も、この美しい景観と歴史を後世に伝えていくことが求められています。

Information

名称
大倉山公園(神戸市)
(おおくらやま こうえん)

神戸・有馬(有馬温泉)

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