概要と地形
砥峰高原は、雪彦峰山県立自然公園に属し、標高800~900メートルに位置する約90ヘクタールの広大な草原です。この高原は、周氷河地形の一種である「化石周氷河斜面」と呼ばれる地形が特徴的で、秋には草原一面が銀色のススキの絨毯で覆われ、日本有数のススキの大群生地として知られています。また、湿原地帯では、多くの高山植物が見られることでも有名です。
歴史と山焼きの伝統
砥峰高原は、近代以前には茅葺屋根の材料である茅の伐採地として利用されていました。その環境を維持するために、毎年雪解けの時期に山焼きが行われ、その結果としてススキの大草原が現れるようになりました。現在では、茅の伐採が行われなくなったにもかかわらず、ススキの大草原を保護するために毎年4月に山焼きが行われています。
映画やドラマの撮影地
砥峰高原は、2010年公開の村上春樹原作の映画『ノルウェイの森』の主要撮影地となって以来、映画やドラマの撮影地としても広く知られるようになりました。その後、NHK大河ドラマ『平清盛』や『軍師官兵衛』、テレビ朝日のドラマスペシャル「上意討ち」など、さまざまな作品がここで撮影されています。
施設とイベント
砥峰高原には、観光客が楽しめる施設が整っています。展望台からは、四季折々の美しい風景を一望することができます。また、「とのみね自然交流館」や「平家そば処交流庵」も訪れる価値があります。さらに、以下のようなハイキングコースが用意されており、自然の中での散策を楽しむことができます。
主なハイキングコース
- 夜鷹山までのコース(片道5km、約90分)
- 福知渓谷休養センターまでのコース(片道5km、約90分)
- 峰山高原(ホテルリラクシア)までのコース(片道7km、約120分)
主なイベント
- 砥峰高原の山焼き - 毎年4月第1土曜日
- 砥峰高原観月会 - 毎年9月中旬
- ススキ祭り - 毎年10月中旬
交通アクセス
砥峰高原へのアクセス方法は以下の通りです。
- JR播但線 寺前駅または長谷駅から神姫グリーンバス「川上」行きで終点下車、徒歩約1時間30分
- JR播但線 長谷駅からタクシーで約20分
- JR播但線 寺前駅から直行バス(予約要) - 7月21日から10月3日までは火・木・土・日曜・祝祭日に1日1便運行、10月5日から11月10日までは1日2便運行
周辺の見どころ
砥峰高原の周辺には、自然公園や滝などの美しい観光スポットが点在しています。以下はその一部です。
- 雪彦峰山県立自然公園
- 峰山高原、黒岩の滝、扁妙の滝、オウネン滝、太田の滝、足尾の滝、太田池、福知渓谷
- 生野銀山
- 銀山まち回廊
- ヨーデルの森
砥峰高原は、美しい自然と歴史を感じられる場所であり、季節ごとに違った魅力を楽しめるため、一年を通して訪れる価値のある場所です。