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姫路市 書写の里・美術工芸館

(ひめじし しょしゃ さと びじゅつ こうげいかん)

姫路の伝統工芸と芸術文化に出会える美術館

姫路市書写の里・美術工芸館は、兵庫県姫路市の書写山の麓、夢前川のほとりに位置する美術館です。1994年に開館し、姫路市に受け継がれてきた伝統工芸や芸術文化、播磨地方の郷土玩具などを紹介しています。地域の職人が培ってきた技術や、暮らしの中で育まれた文化に触れられる施設です。

建物は、近隣にある書写山圓教寺を思わせる大きな屋根と瓦葺きが特徴です。周囲の自然や歴史的な景観に調和した外観も見どころの一つで、館内の展示とともに建築そのものも楽しめます。

館内には複数の展示室があり、陶芸作品や書画、郷土玩具、祭り屋台など、多彩な資料が展示されています。さらに、姫路はりこや姫路こまなどの伝統工芸について、制作実演を見学したり、ものづくりを体験したりすることもできます。姫路の文化を深く知りたい方はもちろん、家族で楽しめる文化施設を探している方にもおすすめです。

館内の施設と見どころ

多彩な展示室で姫路の文化を知る

館内には、常設展示室や企画展示室、郷土玩具室などが設けられています。展示室A・Cでは常設展示を中心に作品を紹介し、展示室Bでは常設展示に加えて企画展示も行われます。また、期間限定の特別展を開催する企画展示室もあり、訪れる時期によって異なる作品や資料に出会えるのが魅力です。

そのほか、播磨地方の祭り文化を伝える屋台コーナー、工芸品の制作実演や体験ができる工芸工房、映像を通して展示への理解を深められるビデオコーナー、休憩コーナーなどがあります。ミュージアムショップでは、姫路の伝統工芸品や関連グッズを購入できます。

展示室A|清水公照の作品と伝統工芸

約270体の泥仏

展示室Aの見どころの一つが、東大寺の長老を務めた清水公照(しみず こうしょう)が制作した「泥仏」です。館内には約270体が展示されており、一体ごとに異なる表情や個性を楽しめます。

これらの作品は、瀬戸、九谷、信楽、清水、備前、萩、唐津、有田など、全国各地の著名な窯元で焼かれたものです。焼き物ならではの質感や色合いに、清水公照の自由で親しみやすい表現が加わり、見る人を楽しませてくれます。

備前大甕

備前焼の陶芸作家・森陶岳(もり とうがく)による「備前大甕」も注目の作品です。清水公照が窯元を訪れ、作品に山の模様を描いたもので、同氏の遺作としても知られています。陶芸家の造形と清水公照の絵付けが組み合わさった、個性豊かな作品です。

姫路城大天守の鯱瓦

姫路の歴史や建築文化に関心のある方には、姫路城大天守の鯱瓦を復原した作品も見逃せません。制作したのは、国の選定保存技術保持者であった鬼師・小林平一(1923~2002)です。

鬼師とは、屋根に取り付ける鬼瓦や鯱、鴟尾(しび)などの役瓦を専門に制作する職人を指します。城郭建築を彩る瓦の造形や、伝統技術を受け継ぐ職人の高度な技を知ることができます。

展示室B|「すみ・いろ・つち」の世界

展示室Bでは、清水公照が手がけた陶芸作品や書、絵画、絵日記などを紹介しています。清水公照は全国各地の窯元を訪れ、作家が制作した壺や皿に絵付けを施すなど、陶芸と絵画を組み合わせた表現を生み出しました。

展示のテーマである「すみ・いろ・つち」は、それぞれ「書」「絵」「焼き物」を意味しています。文字や色彩、土から生まれる造形を通じて、清水公照の幅広い創作活動に触れられます。

展示室C|四季を彩る作品

展示室Cは、茶室を思わせる落ち着いた雰囲気の展示空間です。清水公照が手がけた12か月の絵暦や句抄などを展示し、季節の移ろいを感じられる作品を紹介しています。

季節に応じて展示替えが行われるため、訪れる時期によって異なる作品を楽しめるのも特徴です。四季折々の風情を表現した絵や言葉を通して、日本の季節感や伝統的な美意識に親しめます。

郷土玩具室|昔懐かしい人形と玩具

郷土玩具室では、姫路はりこや土人形、こけしをはじめ、全国各地で作られてきた郷土玩具を展示しています。土地ごとの風習や暮らし、職人の工夫が反映された玩具は、地域文化を知るうえで興味深い資料です。

展示の中には、実際に触れて遊べるコーナーもあります。見て楽しむだけでなく、手に取ることで、昔ながらの玩具の形や手触りを体感できます。子どもから大人まで、日本各地の素朴なものづくりの魅力に触れられる展示です。

屋台コーナー|播磨地方の祭り文化

屋台コーナーでは、播磨地方の祭りで使われてきた屋台の実物を展示しています。展示されているのは、魚吹八幡神社の秋季例祭で使用されていた屋台で、1992年まで姫路市勝原区宮田の秋祭りで使われていたものです。

祭り屋台は、地域の信仰や人々の結びつきを象徴する存在です。実物を間近で見ることで、祭りを支えてきた職人の技術や、地域に根付いた祭礼文化の一端を知ることができます。

伝統工芸の実演とものづくり体験

姫路はりこ・姫路こま・姫山人形

館内の工芸工房では、姫路に伝わる伝統工芸品の制作実演を見学できます。主な対象は、張り子の技法で作られる「姫路はりこ」、色鮮やかな「姫路こま」、伝統的な人形である「姫山人形」などです。

職人の手仕事を間近で見られるため、完成した工芸品だけでは分かりにくい制作工程や技術への理解が深まります。地域の工芸がどのように受け継がれてきたのかを知る、貴重な機会となります。

自分だけの作品づくり

工芸工房では、はりこ面の絵付けやこまの色付けなど、実際に手を動かして楽しめるワークショップも開催されています。伝統的な技法に触れながら、自分だけの作品を作れるのが魅力です。

体験内容や開催日、参加条件などは変更される場合があります。参加を希望する場合は、事前に施設へ確認しておくと安心です。

建築にも注目したい美術工芸館

姫路市書写の里・美術工芸館は、1994年に竣工しました。設計は宮脇檀建築研究室が担当し、施工は大成建設と大谷建設の共同企業体によって行われました。

書写山圓教寺を思わせる大屋根と瓦葺きの外観は、周囲の自然や地域の歴史と調和しています。伝統工芸や美術作品の展示だけでなく、建物の意匠にも目を向けることで、この施設が大切にしている地域文化とのつながりを感じられます。

1997年には、兵庫県建築士事務所協会の「くすのき建築文化賞」および「さわやか街づくり賞(兵庫県知事賞)」を受賞しています。建築と文化、自然が一体となった空間も、この美術工芸館の見どころです。

アクセス

バスでのアクセス

山陽電車の山陽姫路駅、またはJR姫路駅から神姫バスの8系統を利用し、「書写山ロープウェイ」行きの終点で下車します。所要時間は約25分で、バス停から美術工芸館までは徒歩約3分です。

バスの行き先表示や運行時刻は変更される場合があるため、訪問前に最新の交通情報を確認しておきましょう。

周辺の観光スポットとあわせて楽しむ

美術工芸館の周辺には、歴史ある書写山圓教寺をはじめ、姫路を代表する観光スポットがあります。書写山ロープウェイを利用して山上の自然や寺院を巡るプランと組み合わせれば、地域の歴史や文化をより深く味わえます。

また、姫路城を訪れれば、城郭建築や歴史文化に触れることもできます。美術工芸館で伝統工芸や郷土玩具、祭り文化について学んでから周辺を巡ると、姫路の魅力を多角的に楽しめるでしょう。

姫路市書写の里・美術工芸館は、地域の職人技と芸術、暮らしに根差した文化を身近に感じられる施設です。展示をじっくり鑑賞するだけでなく、制作実演や体験にも参加しながら、姫路ならではの伝統とものづくりの魅力に触れてみてください。

Information

名称
姫路市 書写の里・美術工芸館
(ひめじし しょしゃ さと びじゅつ こうげいかん)

姫路・赤穂

兵庫県