地理
平福は、兵庫県佐用町に属する旧宿場町で、川端風景と呼ばれる風光明媚なエリアが特徴です。この地域は赤茶色の土蔵と川屋敷が立ち並ぶ美しい風景で知られ、時代劇のロケ地としても頻繁に利用されています。また、秋から冬にかけての朝霧が美しい名所としても有名で、近隣には棚田百選にも選ばれた乙大木谷があります。
歴史
平福の歴史は、室町時代にさかのぼります。以下は、平福の主要な歴史的出来事です。
- 1333年 - 隠岐島を脱出した後醍醐天皇が平福を経由して都に向かったと伝えられています。
- 1349年 - 佐用川対岸の利神山(標高373m)に別所敦範が城(利神城)を築きました。
- 1578年 - 羽柴秀吉の中国攻めで利神城が落城しました。
- 1601年 - 池田由之が利神山の利神城を改修し、現在の町並みの原型となる城下町を築きました。
- 1605年 - 利神城が竣工しました。
- 1615年 - 池田輝興が入封し、平福藩が成立しました。
- 1631年 - 池田輝興が赤穂藩に転封され、平福藩は廃藩、利神城も廃城となりました。
- 1631年 - 1644年 - 旗本松平康朗によって陣屋が建設されました。
名所・旧跡・施設
平福には多くの名所旧跡や歴史的な施設があります。
- 利神城 - 別名「雲突城」とも呼ばれ、江戸時代初期に築かれた城跡です。利神山山頂には壮麗な石垣が現存しています。
- 瓜生原次郎家住宅・瓜生原恒男家住宅・前川家住宅 - 兵庫県指定の景観形成重要建造物です。
- 平福陣屋門 - 江戸時代末期に代官の佐々木平八郎によって建築された代官所跡の遺構です。
- 平福本陣跡 - 鳥取池田藩の本陣跡で、現在は素盞嗚神社のお旅所となっています。
- 瓜生原家 - 江戸時代中期から昭和初期まで続いた「吹屋」という屋号の鋳物商家です。
- 旧田住邸 - 宮本武蔵の義母の家系にあたる大庄屋の邸宅で、元禄時代の池泉鑑賞式日本庭園が残っています。
- 平福郷土館 - 町屋建築の資料館で、地域の歴史や文化を学ぶことができます。
- たつ乃屋醤油本店 - 江戸時代初期に創業された醤油の老舗です。
- 素盞嗚神社 - 1640年に創建され、神饌幣帛料供進指定神社です。
- 光明寺 - 山号は十輪山で、行基によって716年に開創された古刹です。播磨六地蔵の一つでもあります。
- 光勝寺 - 山号は暁光山で、利神城の門を移した山門が特徴的です。
- 正覚寺 - 法道と行基ゆかりの浄土宗の寺で、代々の領主の菩提寺です。
- 宮本武蔵最初の決闘の地 - 金倉橋の袂で、13歳の時に新当流の有馬喜兵衛と決闘しました。金倉の六地蔵が祀られています。
- 道の駅「宿場町ひらふく」 - 地元の特産品や観光情報を提供する道の駅です。
交通
平福へのアクセスは以下の通りです。
- 智頭急行 平福駅 - 徒歩5分。駅舎は赤土壁の土蔵風建築で、第4回近畿の駅百選に選定されています。