西はりま天文台の特徴
天文学の研究と一般公開を両立する施設
西はりま天文台は、天文学の研究拠点であると同時に、一般の人々が宇宙について学び、星空を観察できる公開施設でもあります。
天文台や観測ドーム、観測棟をはじめ、宇宙・天文に関する展示施設、屋外展示、学校教育支援施設、生涯学習施設などが整備されています。大学教育や研究活動に加え、学校での理科教育を支援する活動も行われています。
夜の天体観望会と天文イベント
天体観望会では、実際の星や天体を観察しながら、宇宙の広がりや天文学の魅力を体感できます。天文講演会や関連イベントも開催されており、専門的な知識に触れる機会が用意されています。
館内では、隕石などの天文関連資料も見学できます。星空を眺めるだけでなく、展示や解説を通じて宇宙への理解を深められるのも魅力です。
大型望遠鏡「なゆた」
口径200cmの反射式天体望遠鏡
西はりま天文台を代表する設備が、天文台南館に設置された大型反射式天体望遠鏡「なゆた」です。2004年にファーストライトを迎え、同年11月から一般公開での利用と研究利用が始まりました。
完成当時は、国内最大級で、一般公開用としては世界最大とされた望遠鏡です。現在も天体の観測研究に活用され、天文台を象徴する設備となっています。
「なゆた」の主な仕様
- 有効口径:2,000mm
- 主鏡口径:2,050mm
- 主鏡F比:1.5
- 光学系:リッチー・クレチアン式
- 主鏡素材:ULE低膨張ガラス
- 観測波長:可視光~近赤外線(Kバンド)
- 架台方式:経緯台方式
- 駆動方式:フリクションドライブ
- 架台制御:全自動式
大口径の主鏡を備えた「なゆた」は、遠方の天体や暗い天体の観測研究を支えています。2016年2月には、主鏡の再蒸着による反射面のリフレッシュが行われました。
観測装置
「なゆた」には、観測目的に応じた複数の観測装置が備えられています。
- ナスミス焦点1:高感度カラーカメラ「HIVISCAS」
- ナスミス焦点2:可視光分光器「MALLS」
- カセグレイン焦点1:可視光撮像装置「MINT」
- カセグレイン焦点2:3色同時近赤外カメラ「NIC」
- カセグレイン焦点2:可視光ターゲット観測システム「VTOS」
これらの装置を使い分けることで、天体の画像撮影や光の分析など、さまざまな観測研究が行われています。
天文台南館と研究施設
天文台南館は、大型望遠鏡「なゆた」を用いた観測研究などが行われる施設です。研究者による観測活動を支えるため、望遠鏡制御室や観測室、研究室などが整備されています。
望遠鏡制御室・観測室
望遠鏡制御室では、コンピュータによる全自動制御が可能です。観測室では望遠鏡の見学もでき、天体観測を支える設備や研究環境に触れられます。
スタディールーム
スタディールームは120人を収容できる学習・講演用の施設です。70インチのビデオプロジェクターやピアノを備え、天文学の学習やイベントなどに活用されています。
天文台北館の観測設備
天文台北館には、口径60cmの反射望遠鏡が設置されています。カセグレイン式の望遠鏡で、合成焦点距離は7,200mmです。
また、350mmのシュミット・カセグレイン式望遠鏡も同架されており、観測目的に応じた設備が用意されています。
スタープラザの観測機器
スタープラザには、天体観察に親しむための観測機器が設置されています。
- 口径15cmの屈折望遠鏡
- 口径10cmの大型双眼鏡
- 太陽望遠鏡「キラキラとんぼ」
星空だけでなく、太陽の観察にも対応した設備があり、天体をさまざまな角度から学ぶことができます。
サテライトドームと貸出用望遠鏡
西はりま天文台には、貸出用の天文台として利用されるサテライトドームもあります。利用条件などに応じて、望遠鏡を使った天体観察を楽しめる設備です。
サテライトA
ドームの直径は約3.0mで、ミカゲ光器製の口径26cm反射望遠鏡を備えています。
サテライトB
ドームの直径は約2.5mで、高橋製作所製の口径18cm反射望遠鏡を備えています。
休憩所・ファミリードーム
休憩所にはファミリードームがあり、マゼランWHITEY DOB 30cm/F5のニュートン式反射望遠鏡が用意されています。
このほか、さまざまな貸出用望遠鏡もそろっています。利用できる設備や貸出条件については、事前に施設へ確認すると安心です。
電波望遠鏡などの観測設備
西はりま天文台には、光学望遠鏡だけでなく、電波を利用して太陽や大気の状態を観測する設備もあります。
- 太陽バースト電波望遠鏡:12GHz(BSアンテナを活用)
- 38MHzリオメータ
- 22MHzリオメータ
さまざまな波長や観測方法を用いることで、天体や宇宙に関する研究を支えています。
教育・研究活動
大学教育と観測研究の支援
兵庫県立大学の施設として、大学教育や天文学の研究活動が行われています。大学などの研究者に施設を開放する観測研究支援活動を通じて、さまざまな観測研究が支援されています。
学校教育と生涯学習
学校の理科教育を支援する教育活動にも取り組んでいます。天体観望会や天文講演会、展示などを通じて、幅広い世代が天文学に親しめる機会を提供しています。
研究機関としての専門性を生かしながら、天文学の魅力を一般の人々に伝えることも、西はりま天文台の重要な役割です。
西はりま天文台の沿革
- 1990年:北館を中心に、公開天文台として開所
- 2001年4月:大型望遠鏡計画がスタート
- 2004年10月:大型反射式天体望遠鏡「なゆた」がファーストライトを迎える
- 2004年11月:「なゆた」の一般公開利用および研究利用を開始
- 2012年4月:兵庫県立大学自然・環境科学研究所へ移管
- 2014年4月:「兵庫県立大学西はりま天文台」として運営開始
- 2016年2月:「なゆた」の主鏡を再蒸着し、反射面をリフレッシュ
アクセス・所在地
所在地
〒679-5313 兵庫県佐用郡佐用町西河内407-2
電車・タクシーでのアクセス
JR姫新線または智頭急行智頭線の佐用駅から、タクシーで約15分です。姫路方面からは、JR姫新線を利用し、播磨新宮駅などを経由してアクセスできます。
路線バスについて
以前は姫路駅から神姫バスの急行便が運行されていましたが、2023年3月31日をもって休止されています。訪問の際は、最新の交通情報やタクシーの利用方法を事前に確認してください。
西はりま天文台を訪ねる魅力
西はりま天文台は、口径200cmの大型望遠鏡「なゆた」をはじめ、多彩な観測機器を備えた天文学の研究・教育施設です。一般向けの天体観望会や講演会も開催され、宇宙を身近に感じられる貴重な場所となっています。
満天の星を眺める体験に加え、天文展示や望遠鏡の見学を通じて、星や惑星、宇宙の仕組みについて理解を深められます。天文学に興味がある方はもちろん、自然の中で星空を楽しみたい方にもおすすめです。
天体観望会や施設見学の開催状況、宿泊施設の利用条件などは、訪問前に最新の案内をご確認ください。