歴史
書写山ロープウェイは、1958年(昭和33年)3月19日に姫路市交通局(後の姫路市企業局交通事業部)が運行するロープウェイとして開業しました。1992年(平成4年)10月1日にはリニューアルが行われ、新しい施設として再開業されました。この際、国土交通省へはこの日を開業日として届け出ています。
2006年(平成18年)4月1日には、運営が姫路市観光交流推進室(現在の姫路市観光スポーツ局観光文化部観光課)に移管され、神姫バスが指定管理者として運行を開始しました。
概要
過去の運行体制
現行のロープウェイの施設が設置される前には、北側に平行して旧設備が存在していました。この旧設備は安全索道製の3線交走式ロープウェイで、定員は31名でした。搬器は初代が帝国車両製、2代目が大阪車輌工業製で、それぞれ更新されつつ運行されていました。しかし、老朽化と輸送力の不足が顕著となり、1992年(平成4年)に現行の施設へと置き換えられました。
現在のゴンドラ
現在使用されている3代目のゴンドラは、姫路市のマスコットキャラクター「しろまるひめ」と「かんべえくん」をラッピングした2機が稼働しています。2018年3月には、より視界が広がるよう設計されたワイドな客車に更新されました。これ以前のゴンドラは「そよかぜ」「さちかぜ」と名付けられていました。
駅一覧
山麓駅(書写駅)
山麓駅は、書写山の麓に位置し、書写山ロープウェイの出発点となります。
山上駅(書写山上駅)
山上駅は、書写山圓教寺の近くにあり、ロープウェイの終着駅です。この駅からは、圓教寺の摩尼殿までのアクセスが可能です。
なお、駅名の表記については、公式サイトでは「山麓駅」「山上駅」として記載されていますが、神姫バスでは「書写駅」としており、国土交通省への届出では「山麓」「書写山上」としています。時刻表などの大手メディアでは、それぞれ「書写駅」「書写山上駅」として記載されることが一般的です。
特徴
跳ね上げ式桟橋
ロープウェイのプラットホームには跳ね上げ式桟橋が設けられており、乗車時には安全にゴンドラに乗れるよう桟橋が降ろされ、進入・発車時には桟橋が跳ね上げられます。この仕組みにより、比較的高速でも安全にプラットホームにゴンドラを接続できる利点があります。
ガイドの添乗
書写山ロープウェイでは、録音ではなく、女性ガイドが実際にゴンドラに添乗して書写山や圓教寺の説明を行っています。このガイドによる生の解説が、乗客に好評です。
主要スペック
営業距離:781メートル
高低差:211メートル
最大勾配:27度53分
最高運転速度:5メートル毎秒
支柱:1基
乗車時間:3分50秒
定員:65人(全長6メートル、全幅2.4メートル、全高3メートル)
方式:3線交走式
駅数:2駅(起終点駅のみ)
接続交通
姫路駅から山麓駅(書写山ロープウェイ停留所)まで、神姫バスの路線バス(8系統)が運行しており、所要時間は約25分です。山上駅からは、圓教寺摩尼殿まで約0.8キロメートルの山道を歩くか、寺が運営する有料マイクロバスを利用することができます。さらに、開山堂(奥の院)までは徒歩で約0.7キロメートルの距離があります。