雪彦山の概要
雪彦山は、複数の峰から成り立っており、特に旧夢前町(現在は姫路市に合併)では「洞ケ岳」(標高811m)、「鉾立山」(標高950m)、「三辻山」(標高915m)の3つの山を総称して雪彦山と定義しています。また、国土地理院発行の2万5千分の1地図では、三辻山を雪彦山とし、二等三角点が設置されています。
雪彦山の登山案内では、「大天井岳」や「不行岳」、「三峰岳」、「地蔵岳」など、岩峰が連なる「洞ケ岳」の最高峰「大天井岳」(標高811m)を雪彦山と見なすことが一般的です。また、古くは周辺の明神山や七種山を含む三山を総称して雪彦山と呼んでいたという定義もあります。
地質と自然
雪彦山の地質は後期白亜紀の火山岩(デイサイト・流紋岩)から成り、南麓からは夢前川とその支流の菅生川が流れ出ています。この山域は、北方に連なる峰山と共に雪彦峰山県立自然公園を形成しています。
雪彦山の標高
「大天井岳」の標高は長らく884メートルとされてきましたが、地形図の測量により、実際の標高は811.1メートルであることが判明しました。この新しい標高は、まだ十分に浸透していないため、登山者は注意が必要です。
歴史と信仰
雪彦山は、修験道の行場として古くから信仰を集めてきました。山の南側には賀野神社があり、これは推古天皇の時代(592年 - 628年)に法道仙人によって開かれたと伝えられています。この神社はかつて「雪彦山大権現」や「雪彦山金剛鎮護寺」として神仏習合の形式をとっていましたが、明治元年の廃仏毀釈により金剛鎮護寺は廃寺となり、現在はその基壇が残されているだけです。
賀野神社には、廃仏毀釈の年に建てられた入母屋造の本殿が現存しており、この本殿は姫路市の文化財に指定されています。
交通アクセス
雪彦山へのアクセスは、最寄りの主要都市である姫路市から行うことが一般的です。登山ルートは主に、前之庄→山之内側と四辻→鹿ヶ壺側の2種類がありますが、いずれのルートもアクセスするための路線バスは本数が少なく、日に1~6便程度しか運行されていません。
山之内経由のアクセス
姫路駅北口から神姫バス51系統「山之内」行きに乗車し、終点山之内で下車します(所要時間約57分)。山之内バス停から雪彦山キャンプ場(雪彦山バス停跡)までは約3.5kmの距離です。ただし、山之内~雪彦山間のバス運行は2010年9月30日に終了しているため、現在は徒歩または別の交通手段でのアクセスが必要です。
鹿ヶ壺経由のアクセス
姫路駅北口から神姫バス34系統「グリーンステーション鹿ヶ壺」行きに乗車し、終点グリーンステーション鹿ヶ壺で下車します(所要時間約66分)。また、宍粟市の山崎と鹿ヶ壺を結ぶ路線バスもあります。
周辺の観光スポット
雪彦山周辺には、登山や観光に訪れる人々におすすめのスポットがいくつかあります。
鹿ヶ壺(西麓)
雪彦山の西麓に位置する鹿ヶ壺は、美しい滝と甌穴群が見られる自然の名所です。
置塩城跡(国の史跡)
雪彦山の麓にある置塩城跡は、国の史跡に指定されており、歴史的な価値が高い場所です。
塩田温泉
塩田温泉は、雪彦山登山の疲れを癒すのに最適な温泉地です。豊かな自然に囲まれた温泉で、リラックスしたひとときを過ごせます。
弥勒寺
弥勒寺は、国の重要文化財に指定されている本堂と本尊弥勒三尊像がある歴史ある寺院です。雪彦山を訪れた際には、ぜひ立ち寄りたい場所の一つです。
雪彦温泉
雪彦温泉は、雪彦山の自然を感じながら温泉を楽しめる場所です。登山後の疲れを癒すのに最適な温泉として、多くの登山者に利用されています。