白鷺山公園の概要
白鷺山公園は、白鷺山の山上一帯に広がる自然を残した都市公園です。北側は西播丘陵県立自然公園の的場山と龍野公園に隣接し、南側は名神大社粒坐天照神社(つぶりますあまてらすじんじゃ)と城下町日山地区を挟んで揖保川が流れています。園内には、「童謡の小径」や「哲学の道」などの散策路、五月の台広場、国民宿舎赤とんぼ荘、展望台など、多くの施設が整備されています。
童謡の小径 - 三木露風を偲ぶ道
「童謡の小径」は、白鷺山山頂を縦断する散策路で、龍野市出身の詩人三木露風によって作詞された「赤とんぼ」にちなんで名付けられました。龍野市は1984年10月に「童謡の里」宣言をし、1987年7月には全国から募集した「あなたの好きな童謡」の上位8曲の歌碑と遊歩道を白鷺山に整備しました。
歌碑一覧
それぞれの歌碑は作詞者の出身地の石で造られており、石碑に近づくと童謡のメロディーが流れます。以下は、設置された歌碑の一覧です。
- 赤とんぼ - 作詞家の胸像と石碑、三木露風作詞、山田耕筰作曲
- 里の秋 - 根府川石、作詞者直筆、斎藤信夫作詞、海沼實作曲
- 夕焼小焼 - 小松石、作詞者直筆、中村雨紅作詞、草川信作曲
- 七つの子 - 小豆畑石、古茂田(作詞者の弟子)筆、野口雨情作詞、本居長世作曲
- ちいさい秋みつけた - こうが石、房枝(作詞者の妻)直筆、サトウハチロー作詞、中田喜直作曲
- みかんの花咲く丘 - 柿木石、作詞者直筆、加藤省吾作詞、海沼實作曲
- 月の沙漠 - 柿木石、加藤まさを作詞、佐々木すぐる作曲
- 叱られて - 安芸石およびごこう石、恵子(作詞者の娘)筆、清水かつら作詞、弘田龍太郎作曲
哲学の道 - 三木清を偲ぶ場所
白鷺山公園には、もう一つの象徴的な散策路「哲学の道」があります。この道は、白鷺山の南側中腹に位置しており、哲学者三木清の記念碑が立っています。訪れる人々は、この道を歩きながら、深い思索にふけることができます。
五月の台広場 - 休息と癒しの場所
「哲学の道」の南側には「五月の台広場」が広がっています。この広場は、静かな森の中にあり、訪れる人々にとっては自然と触れ合い、心を落ち着けるための絶好の場所です。さらに南へと林道を下ると、粒坐天照神社の境内に出ることができます。
国民宿舎赤とんぼ荘 - 見晴らしの良い宿泊施設
国民宿舎赤とんぼ荘は、1962年に龍野市が運営する公営宿舎としてオープンしました。兵庫県下で最初の国民宿舎として、多くの観光客に親しまれてきました。7階にある展望レストランからは、龍野城の城下町を一望でき、館外の展望台からは揖保川と中国山地を遠望することができます。また、玄関前には「童謡の小径」の入り口があり、散策を楽しむことができます。
しかし、赤字経営が続いた上に、コロナ禍で新たな指定管理者が現れず、営業の継続が困難となったため、2021年3月末をもって休業することになりました。
白鷺山墳墓群 - 古代の歴史を今に伝える
白鷺山公園には、古墳時代に築造されたと推定される白鷺山墳墓群が存在します。1961年に行われた発掘調査では、二基の古墳から人骨や2面の銅鏡(たつの市指定文化財)が発見されました。また、粒坐天照神社の近くには、横穴式石室が開口している狐塚古墳(市指定史跡)もあり、古代の歴史に触れることができる場所として貴重です。
公園のデータと交通アクセス
面積: 1.5ヘクタール
所在地: 〒679-4170 兵庫県たつの市龍野町中霞城
交通アクセス: 姫新線 本竜野駅から徒歩30分
周辺の見どころ
白鷺山公園の周辺には、兵庫県立龍野高等学校や龍野公園、粒坐天照神社などの観光スポットがあります。これらの施設も併せて訪れることで、たつの市の歴史と自然を存分に楽しむことができます。