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赤穂義士祭

(あこう ぎしさい)

赤穂義士祭は、兵庫県赤穂市で毎年12月14日に開催される、赤穂義士たちの討ち入りを記念した祭りです。この祭りは1903年(明治36年)に始まり、100回以上続く赤穂市最大のイベントとして、多くの観光客を魅了しています。忠臣蔵の物語に基づくこの祭りは、地元の歴史と文化を色濃く反映し、伝統と誇りが詰まった特別な一日となっています。

概要

赤穂義士祭は、忠臣蔵をテーマにしたさまざまなイベントやパレードが市内で行われることで知られています。祭りの最大の見どころは「忠臣蔵パレード」で、市内小学生による金管バンドパレードを皮切りに、東映剣会による迫力ある「殺陣」、色鮮やかな衣装をまとった「義士娘人力道中」や「大名行列」、そして忠臣蔵の物語を再現する「義士伝行列」や「山車」など、まさに元禄時代を再現したかのような華やかな行列が市内を練り歩きます。また、四十七義士に扮した「義士行列」では、意気揚々と芝高輪泉岳寺へと向かう勇ましい姿が描かれ、数万人の観客がその壮大な光景に魅了されます。

忠臣蔵ウイーク

赤穂義士祭の開催に向けた一週間は「忠臣蔵ウイーク」として、市内各所で多彩なイベントが行われます。「ALL AKO~播州赤穂のすべてをすべての播州赤穂で~」をテーマに、地元の団体や店舗が特別企画を展開し、観光客に向けた様々な催しが連日行われます。直近では「忠臣蔵ウイーク2019」が盛大に開催され、街全体が忠臣蔵一色に染まりました。

義士追慕の前夜祭

祭りの前夜には「義士追慕の前夜祭」が行われます。大石神社周辺や花岳寺門前の御成道では、ろうそくやイルミネーションによる幻想的なライトアップが行われ、提灯行列などが厳かに進行されます。また、各所ではかす汁や討ち入りそばなどの温かい料理が振る舞われ、訪れた人々を温かく迎えます。このイベントは、義士たちへの敬意と感謝の気持ちを表す重要な儀式です。

赤穂義士祭の主なイベント

忠臣蔵交流物産市

赤穂城跡三の丸や武家屋敷公園では、全国から集まった忠臣蔵サミット参加加盟都市や赤穂市と縁の深い市町村が出展する「忠臣蔵交流物産市」が開催されます。ここでは、各地の郷土芸能や催しが披露されるほか、ご当地グルメの販売や観光PRが行われ、多くの観光客で賑わいます。また、特設ステージでは、ゆるキャラたちが参加するイベントや、各地の伝統文化を楽しむことができます。

特別招待・演出

赤穂義士祭は、その年ごとの特別な演出や招待ゲストが注目を集めます。例えば、平成13年(2001年)には女優の薬師丸ひろ子がスターパレードに参加し、平成14年(2002年)には俳優の津川雅彦が討ち入り300周年記念のイベントに出演しました。これまでにも数々の著名人が祭りに参加し、祭りを一層華やかに彩ってきました。また、平成15年(2003年)の第100回赤穂義士祭では、姉妹都市であるオーストラリアのロッキングハム市からバグパイプバンドが特別参加し、国際色豊かなパレードが行われました。

近年の赤穂義士祭の様子

近年では、赤穂義士祭も時代の変化に対応しながら、伝統を守りつつ新しい試みを取り入れています。平成28年(2016年)には、「幻燈庭園」と称して赤穂城跡本丸と二之丸庭園が幻想的にライトアップされるなど、歴史的な風景を現代的な演出で楽しむことができました。また、平成30年(2018年)には、俳優の高橋英樹が初めて大石内蔵助役で参加し、赤穂市の姉妹都市であるロッキングハム市からの訪問団も特別参加するなど、国際的な交流も深まっています。

赤穂義士祭の影響と今後

赤穂義士祭は、赤穂市だけでなく、全国の忠臣蔵ファンや観光客にとって重要なイベントとなっています。令和2年(2020年)と令和3年(2021年)には、新型コロナウイルスの影響でパレードや大規模なイベントが中止されましたが、規模を縮小しても義士追慕の祭典や法要は継続されました。これにより、赤穂義士祭の伝統が守られ続けています。

令和5年(2023年)には、4年ぶりに通常規模で開催され、約4万人の観客が訪れるなど、再び祭りの盛り上がりが戻ってきました。今後も、赤穂義士祭は地域の文化と歴史を守りながら、新たな形で発展していくことが期待されています。

Information

名称
赤穂義士祭
(あこう ぎしさい)

姫路・赤穂

兵庫県