“ひょうご雪姫ポーク”は、「兵庫県霜降り豚肉生産協会」の会員が「パンや麺類などを配合したリサイクル飼料で、ブランド牛のようなおいしい霜降り肉が作れないか?」という研究からうまれた兵庫県産の豚肉だ。でんぷん質の飼料を多く与えることで、ロースなどに美しいサシ(霜降り)が入り、ふっくらとしたやわらかい肉質と、融点が低い脂肪の口どけの良さが特長。しゃぶしゃぶなどで軽く火を通して味わうと、しっとりと滑らかな食感と、脂の甘さを堪能できる。ジューシーな肉汁を味わうなら、とんかつもおすすめだ。
近年、全国でさまざまな銘柄の豚肉が登場し、その数はなんと250以上にも上ります。しかし、中にはただ特別な餌を与えたり、美味しい水を飲ませたりするだけのものもあり、実際の肉の品質が明確でない場合も多くあります。
そこで、平成13年に兵庫県畜産技術センターの研究員が、本物の品質を持つ「兵庫県産のブランド豚肉」を開発するための研究を開始しました。その過程で、通常の飼料に加えて、食品工場から出る余剰のパンや麺などの炭水化物を飼料として与えることで、肉に「霜降り」と呼ばれる脂肪が3倍以上含まれ、見た目にも美しい肉になることがわかりました。
特徴1: 脂肪含有量が多く、見た目が美しい
さらに、この脂肪には「オレイン酸」が通常の豚肉よりも多く含まれていました。オレイン酸には悪玉コレステロールを減少させる効果があり、生活習慣病の予防に役立つと言われており、健康にも優しい豚肉と言えます。また、この豚肉は脂肪が低温でとけるため、口当たりが滑らかで、食べやすいのが特徴です。
特徴2: 調理後の肉が柔らかい
霜降りが多く含まれているため、通常の豚肉に比べて調理後も柔らかい肉となります。このように、「霜降り豚肉」は、美味しさに必要な要素がたくさん備わっていることが分かりました。
さらに、この豚肉の飼料には、食品製造過程で発生する余剰のパンや麺などをエコフィードとして使用しており、地球環境にも優しい特徴を持っています。
この研究結果を受けて、平成19年に「兵庫県霜降り豚肉生産協議会」が設立され、生産者、エコフィード製造業者、畜産技術センターなどが協力し、平成20年から「兵庫県産霜降り豚肉」の本格的な生産が開始されました。