田淵家の歴史と寄贈品
田淵家は江戸時代初期より赤穂の塩業を支えた旧家であり、多くの美術工芸品を所有していました。1994年(平成6年)10月、田淵家から赤穂市へ寄贈された日本画、書、茶道具、婚礼道具などの貴重な資料が当館に収蔵されています。
主な展示品
- 伝良純法親王筆「源氏物語五十四帖」
- 大名物「丸屋文琳茶入」
- 呉須赤絵水指
- 粉引茶碗 銘「玉兎」
特に茶道具の展示が充実しており、季節ごとに趣向を凝らした展示が行われています。館内には茶室も設けられ、茶道文化に触れることができます。
建物の特徴
美術館の建物は、隣接する田淵家の土壁や周囲の景観と調和する和風の外観となっています。内部には路地と14畳の和室があり、展示室として利用されるとともに、茶室としての機能も備えています。
田淵氏庭園
田淵氏庭園は、赤穂市立美術工芸館 田淵記念館に隣接している日本庭園で、1987年(昭和62年)に国の名勝に指定されました。
庭園の歴史
- 18世紀中期 - 茶室「嘯風楼(明遠楼)」完成
- 1758年 - 赤穂藩主 森忠洪が訪れる
- 1764年~1772年 - 茶室「春陰斎」完成
- 18世紀後期 - 書院建立、露地造営
- 1793年 - 久田宗参による書院庭園の作庭
- 1804年~1818年 - 新座敷(書院)建立
- 1987年 - 約3,300㎡の江戸時代庭園が国の名勝に指定
- 2006年 - 1930年造営の庭園と建築物が追加指定、指定面積4,400㎡に拡大
庭園の建造物
- 明遠楼(二階建て、茶室「嘯風楼」)
- 春陰斎(二畳茶室)
- 新座敷
- 上段の間(4畳半)
- 御成の間(8畳)
- 書院(8畳)
- 次の間(6畳)
- 月見台、御籠置石
- 土蔵
一般公開について
田淵氏庭園は、毎年11月下旬の2日間のみ一般公開されます。公開日は事前に公式情報をご確認ください。
交通アクセス
- JR播州赤穂駅からウエスト神姫バス「保養センター」行きに乗車(約15分)、
「川口町東」停留所で下車、徒歩すぐ。
周辺の観光スポット
歴史的名所
- 赤穂城跡(国の史跡)
- 本丸庭園・二之丸庭園(国の名勝)
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- 義士宝物殿
- 大石邸長屋門
- 大石邸庭園
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自然・レジャー
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博物館・美術館
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