概要
標高753.5メートルの大野山は、山頂から360度の大パノラマが広がります。北摂山系をはじめ、六甲山、篠山、京都方面の丹波の山々、さらには瀬戸内海や大阪市街まで見渡すことができます。山頂には三等三角点が設置されており、方位盤も整備されているため、訪れる人々に充実した展望を提供しています。
春には猪名川町の花であるツツジやアジサイが山中に彩りを添え、秋にはススキやハギ、そして美しい紅葉が広がります。また、頂上付近まで車でアクセス可能で、駐車場も完備されているため、手軽に山歩きを楽しむことができます。さらに、山内には20種類以上の巨岩や奇形岩が点在しており、「岩めぐりコース」として公開されています。
大野アルプスランド
大野山の山頂付近には「大野アルプスランド」と呼ばれる自然体験施設があります。この施設には無料のキャンプ場が整備されており、多くの利用者に親しまれています。また、施設内には「猪名川天文台アストロピア」があり、床に寝そべって鑑賞するプラネタリウムや直径50センチの天体望遠鏡が設置されています。ここでは年間を通じて天体観測が行われ、特に流星群の時期には多くの観測者が訪れます。さらに、見晴らしが良いため、星空だけでなく夕景も美しく、タイミングによっては雲海も望むことができます。
キャンプ場
1985年頃に町が開設したキャンプ場は、自由に出入りができ、テントを張ったりバーベキューを楽しむことができるため、町内外からの多くの利用者で賑わっていました。しかし、利用者の増加に伴い、ゴミの量が増え、キャンプ場や周辺にゴミを捨てる人が後を絶たない状況が続きました(ゴミは持ち帰るルールで、ゴミ捨て場も設けられていない)。また、芝生の上で火を直接燃やしたり、木の枝を勝手に切ったりするなど、マナー違反も目立つようになりました。
このような状況を受け、町と指定管理を行う地元の柏原生産森林組合との話し合いにより、2019年1月1日からキャンプ場の一時閉鎖が決定されました。町などはゴミの持ち帰りを周知するため、看板を設置し「このままでは無料開放は限界」と訴えましたが、なかなか効果は見られませんでした。閉鎖後も敷地には入れるものの、テントを張ることや火を使うことは禁止されていました。
その後、2019年10月には観光協会主催の行政・住民協働による美化活動イベントが行われ、2020年12月からは現地での申込み制による試験的再開が行われています。
恋人の聖地
2019年4月、大野山はプロポーズにふさわしいロマンチックなスポットとして、阪神地域で初めて「恋人の聖地」に選定されました。モニュメントのデザインは公募され、地域活動団体「いながわリンク」による住民ミーティングで考案されたデザインが受賞し、2020年11月に完成披露式典が行われました。
このモニュメント「Two Rings」は、指輪をかたどった2つの交差した輪の形で構成されており、つながりや永遠を表現しています。また、人と人との輪が重なり合った先に見えるものを大切にしたいという想いが込められています。
アクセス
電車:
能勢電鉄日生中央駅から阪急バス柏原停留所下車、徒歩約60分。
自動車:
兵庫県道12号川西篠山線から柏原方面(大野山内は一方通行)。