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加古川温泉

(かこがわ おんせん)

加古川温泉は、兵庫県加古川市上荘町に位置する温泉地で、加古川市内で唯一露天風呂を備えた温泉旅館「みとろ荘」があることで知られています。温泉地は、加古川の下流近くにあり、周囲を穏やかな田園風景に囲まれた小高い丘の上にあります。

加古川温泉の概要

泉質と効能

加古川温泉の泉質は、含炭酸塩化土類泉で、含二酸化炭素・カルシウム・ナトリウム塩化物・炭酸水素塩を含む冷鉱泉です。源泉温度は19.4℃で、湧出量は毎分37.6リットルです。飲用は不可ですが、リュウマチ、神経痛、痛風、慢性皮膚炎、腰痛、冷え性、動脈硬化などの症状に効果があるとされています。ただし、効能は個人差があり、万人に保証されるものではありません。

露天風呂と施設

加古川温泉には2つの展望風呂(露天風呂)があり、それぞれ洞窟風呂と展望風呂として男女が毎日入れ替わる形で利用できます。露天風呂からは竹林越しに播磨平野が広がり、特に中秋の名月を望む景色は絶景です。また、釜風呂(超微粒子ミストサウナ)も増設され、旅館には大広間や食堂も併設されています。食事には、毎朝淡路島から直送される新鮮な海鮮料理が提供され、宿泊だけでなく日帰り入浴も可能です。

加古川温泉の歴史

みとろ荘の創設

「みとろ荘」が建設される以前、この地域の人々は湧き水を汲み、自宅で沸かして利用していました。「みとろ荘」が位置する丘は、室町時代の井口城本丸跡であり、旅館の開業は1965年に遡ります。当初は国民宿舎として営業していましたが、1986年に民間経営となり、大西安平社長の「自分の入りたい温泉をつくりたい」という思いから全国の温泉地を視察し、露天風呂を従業員とともに手作りしました。露天風呂には、小豆島産の青い石が使用され、後に洞窟風呂が増築されました。

「みとろ」の由来と伝説

「みとろ荘」の名の由来には、悲しい伝説が残っています。15世紀頃、井口城主・井口家治の姫である美登呂姫に、一人の青年が恋をしましたが、思いを遂げられず、姫を殺害し裏山に埋めてしまいました。人々は姫の死を悼み、石仏を建てて祀りました。現在もその石仏は少し斜め下を向いて立っていますが、これは美登呂姫が倒れる寸前まで美徳を守ったためとされています。「美登呂」の名は、時を経て「見土呂」という現在の地名に変化しました。

加古川温泉周辺の観光スポット

見土呂フルーツパーク

加古川温泉の近くには、季節ごとに様々なフルーツ狩りが楽しめる「見土呂フルーツパーク」があります。家族連れやカップルに人気のスポットです。

平荘湖

自然に囲まれた平荘湖は、釣りやピクニックに最適な場所です。湖畔を散策しながら、四季折々の風景を楽しむことができます。

鶴林寺と周辺寺院

歴史的な寺院である鶴林寺や、浄土寺、一乗寺なども周辺に点在しています。いずれも歴史の趣を感じることができる名所です。

加古川温泉へのアクセス

加古川温泉へのアクセスは、電車や車を利用することができます。以下は主なアクセス方法です。

電車でのアクセス

JR山陽本線加古川駅でJR加古川線に乗り換え、神野駅で下車するか、またはJR加古川線の厄神駅で下車し、徒歩約20分で到着します。また、無料送迎バスも1日1便運行されています。

車でのアクセス

自動車でのアクセスも便利です。阪神高速・加古川バイパスの加古川ICから約15分、または山陽自動車道の三木小野ICからも約15分で到着します。県道18号線を加古川沿いに北上し、上荘橋を渡ってすぐの場所にあります。また、山陽自動車道加古川北ICからもアクセス可能です。

まとめ

加古川温泉は、兵庫県加古川市の静かな田園地帯に佇む温泉地で、露天風呂やミストサウナなど充実した設備が整っています。歴史的な背景や美しい自然に包まれたこの温泉は、宿泊はもちろん、日帰り入浴でも多くの人々にリフレッシュの場を提供しています。訪れる人々にとって、心身ともに癒されるひとときを過ごすことができる温泉地と言えるでしょう。

Information

名称
加古川温泉
(かこがわ おんせん)

明石・加古川

兵庫県