概要
明石公園は、ほぼ全域が明石城の城跡で構成されており、歴史的価値と自然の美が融合した城址公園です。公園内には、史跡明石城跡をはじめ、兵庫県立図書館などの文化施設、野球場や陸上競技場などのスポーツ施設、さらには、広々とした芝生広場や日本庭園など、多彩な施設が点在しています。
特に、二ノ丸の南に位置する「武蔵の庭園」は、宮本武蔵が作庭したと伝えられる日本庭園で、2003年に一般公開されました。この庭園は、静かな池と緑豊かな景観が特徴で、訪れる人々に癒しの時間を提供しています。
歴史
明石公園の歴史は古く、1883年(明治16年)に民営明石公園として開園しましたが、1898年(明治31年)に御料地に編入され、一度閉園しました。その後、1918年(大正7年)に県営の公園として再び開園し、現在に至るまで幾度かの拡張と整備が行われてきました。
戦後には、空襲による被害からの復興が進められ、1995年の阪神・淡路大震災による被害も乗り越え、2000年には城跡の修復が完了しました。2004年には、明石城跡が国の史跡に指定され、毎週土日に坤櫓(西側)の1階部分が一般公開されています。
明石城跡
明石城は、かつて四隅に櫓が建てられていた平山城で、そのうち、坤櫓(西側)と巽櫓(東側)は現存しており、1957年に国の重要文化財に指定されています。また、天守台や二ノ丸、東ノ丸、中堀などの遺構も残されており、歴史を感じさせる風景が広がっています。
スポーツ施設
明石公園には、野球場や陸上競技場をはじめとする多くのスポーツ施設が整備されています。特に、兵庫県立明石公園第一野球場は、センター122m、両翼100mの規模を誇り、数々の大会が開催されています。また、陸上競技場は、日本陸上競技連盟第3種公認を受けており、トラックは1周400mの8レーンが整備されています。
その他にも、テニスコートや弓道場、ローンボウルスコートなど、多彩なスポーツ施設が利用可能で、幅広い年齢層の利用者に親しまれています。
文化施設
兵庫県立明石公園には、兵庫県立図書館やあかしふるさと図書館など、文化施設も充実しています。あかしふるさと図書館は、2017年に開設され、郷土資料の収集・展示に特化した施設でしたが、2020年3月31日をもって閉館しました。
また、明石城武蔵の庭園も文化施設の一つであり、池泉回遊式庭園として一般公開されています。武蔵の庭園は、かつて宮本武蔵が作庭したと伝えられる庭園を再現したもので、四季折々の美しい風景を楽しむことができます。
自然と動植物
剛ノ池と桜の名所
明石公園の中央には、剛ノ池という広大な池があり、その周辺には約2000本のソメイヨシノが植えられています。この桜の木々は、春になると一斉に花を咲かせ、多くの花見客で賑わいます。また、剛ノ池では、手こぎボートや足こぎボートの貸し出しが行われ、家族連れやカップルに人気のスポットです。
動物たちとの触れ合い
公園内の中堀や剛ノ池周辺では、コブハクチョウやカモ、アオサギなどの野鳥が見られるほか、冬にはユリカモメの群れが飛来します。これらの鳥たちと触れ合うことができ、自然観察やバードウォッチングを楽しむことができます。
アクセスと駐車場
兵庫県立明石公園へのアクセスは、鉄道や車でのアクセスが便利です。JR明石駅や山陽電車明石駅から徒歩約5分という好立地に加え、第二神明道路の各ICからも車でアクセスしやすい場所にあります。公園内には有料駐車場も完備されており、車での来園も安心です。
明石公園の逸話
公園内の古墳とその発掘調査
明石公園内には、かつて古墳とされていた「人丸塚」がありますが、1978年の埋蔵文化財発掘調査の結果、古墳ではないと結論付けられました。また、公園南側には、「あさぎり寮古墳」と呼ばれる円墳が現存し、頂上から土器片が採取されています。これらの遺跡は、古代の歴史を感じさせる貴重な資料となっています。