ビフカツとは?
牛肉を使ったご当地カツレツ
「ビフカツ」は「ビーフカツレツ」の略称で、一般的なカツレツが豚肉を使用するのに対し、牛肉を使うのが大きな特徴です。衣をつけた牛肉を揚げ、独自のデミグラスソースをかけて食べるスタイルが主流となっています。
ビフカツのバリエーション
ビフカツは単品で提供されることが多いですが、様々なアレンジが存在します。その中でも特に人気なのが次の2つです。
- ビーフカツサンド:サクサクのビフカツをパンで挟み、食べやすく仕上げた一品。軽食やお土産としても人気があります。
- ビーフカツメシ:ご飯の上にビフカツを乗せ、たっぷりのデミグラスソースをかけたボリューム満点の一皿。キャベツを添えて提供されることが多いです。
かつめしとは?
加古川市発祥の庶民派洋食
「かつめし」は、兵庫県加古川市を中心に親しまれているご当地グルメです。洋皿にご飯を盛り、その上に薄く叩いたビーフカツを乗せ、デミグラスソース系のタレをかけて提供されます。特徴的なのは、お箸で食べる洋食というスタイルです。
かつめしの歴史
かつめしの誕生は戦後間もない時期に遡ります。加古川駅前の食堂で考案されたと言われており、当時、ナイフやフォークが不要で手軽に食べられる洋食として広まりました。その後、地元の食堂やレストランで定番メニューとなり、今では加古川市を代表するグルメのひとつになっています。
かつめしの広がり
現在では、加古川市とその周辺地域にある100以上の飲食店でかつめしを味わうことができます。また、スーパーでは専用のタレが販売されており、自宅でも手軽に作れることから、多くの家庭で楽しまれています。さらに、加古川市の学校給食にも登場し、地元の子どもたちにも親しまれています。
かつめしのバリエーション
さまざまなカツの種類
かつめしは基本的にビーフカツを使用しますが、最近ではさまざまなバリエーションが生まれています。
- トンカツかつめし:豚カツを使用したバージョン。
- チキンカツかつめし:鶏肉を使ったヘルシーな一皿。
- エビカツかつめし:海老カツを乗せた新しいスタイル。
さらに、新たなアレンジとして、「かつめしバーガー」や「かつめしバー」なども登場し、かつめしの魅力が広がっています。
牛カツの歴史と全国的な広がり
牛カツのルーツ
牛カツ(ぎゅうカツ)は、スライスした牛肉にパン粉の衣をつけて揚げる、日本の洋食の一つです。ビーフカツ、ビフカツ、ビーフカツレツなどとも呼ばれます。その歴史は、明治時代に日本に伝わった「コートレット」に遡ります。
「コートレット」は、衣をつけた仔牛肉をフライパンで焼き揚げる西洋料理でしたが、日本では多量の油で揚げるスタイルへと変化し、現在の「ビフカツ」の形になりました。
関東と関西の違い
大正時代以降、関東では豚肉を使ったカツレツ(とんかつ)が主流になりました。しかし、牛肉文化が根付いている関西(神戸・大阪・京都など)では、牛カツが好まれ、現在でも広く親しまれています。
全国的な牛カツブーム
かつては関西圏が中心だった牛カツですが、2015年に東京でブームとなり、全国的に広がりました。特に人気を集めたのは、「厚切り」「レア」「和風」のスタイルで、これを定型化したのが「新ばし 牛かつ おか田」などの店舗です。
牛カツの楽しみ方
牛カツの種類
牛カツには、揚げ方や部位によってさまざまなバリエーションがあります。
- レア・ミディアム・ウェルダン:ステーキと同様に、揚げ具合を選ぶことができます。
- ヒレカツ・ロースカツ:豚カツと同様に、部位によって呼び方が異なります。
串カツとの関係
大阪を中心とする近畿地方では、串カツにも牛肉が多く使われています。串に刺した牛赤身やすじ肉をカラッと揚げ、特製のソースにつけて食べるスタイルは、大阪名物のひとつです。
まとめ
兵庫県を代表するご当地グルメである「ビフカツ」と「かつめし」は、それぞれ異なる歴史を持ちながらも、共通して牛肉を主役とした料理です。加古川のかつめしは、地元の食文化として根付き、日常的に親しまれています。一方、ビフカツは関西の洋食文化を象徴する一品であり、近年では全国的にも注目されています。
兵庫県を訪れた際には、ぜひ本場のビフカツとかつめしを味わってみてはいかがでしょうか?