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明石市立 天文科学館

(あかし しりつ てんもん かがくかん)

「時と宇宙」をテーマにした博物館

明石市立天文科学館は、兵庫県明石市に位置し、日本標準時子午線上に建つ「時と宇宙」をテーマにした博物館です。この科学館は、日本の標準時を決定する子午線の上に立地しており、天文や時間に関するさまざまな展示や教育プログラムが行われています。

施設の概要

明石市立天文科学館は、1960年(昭和35年)に開館しました。これは日本に現存する天文科学館の中で、最初に竣工した館として知られており、その歴史的価値も高いものとなっています。科学館の玄関横には子午線を示す漏刻が設置され、また「JSTM」(Japan Standard Time Meridian=日本標準時子午線)と表示された時計塔もあります。この時計塔は、日本標準時子午線を示す標柱の役割も果たしています。

歴史的背景と震災からの復興

1995年(平成7年)の阪神・淡路大震災では、館が被害を受けましたが、1998年(平成10年)3月15日に新装開館しました。その後、同年に建設省が発表した公共建築百選の一つに選定されました。また、2010年(平成22年)には開館50周年を迎え、建物は国の登録有形文化財にも登録されています。

プラネタリウムの特色

明石市立天文科学館のプラネタリウムは、特に有名です。伝統的な手動操作の主投影機と、各種補助投影機やスライドなどを組み合わせて、学芸員の肉声解説や穏やかな生声ナレーションによる生番組を投影しています。さらに、2018年よりふるさと納税の返礼品としてプラネタリウムを借り切っての投影が行われる権利が提供され、実際に投影も行われています。

塔時計の修繕と現在

2020年2月25日、塔時計の寄贈者であるセイコーホールディングス(東京)による大規模修繕工事が完了しました。この塔時計は初代が1960年の開館時に設置され、2代目は1978年に設置されましたが、1995年の阪神・淡路大震災で被災し、午前5時46分に停止しました。その後、1997年に3代目が設置されています。

天体観測室とランドマークとしての役割

地上からの熱によるゆらぎの影響を抑えるため、時計塔の最上階・16階には天体観測室が設けられ、口径40センチメートルの反射式天体望遠鏡が設置されています。この天体観測室は月1回の天体観望会で公開されています。また、館の南側を通るJR西日本山陽本線(JR神戸線)や山陽電鉄本線からもタワーがよく見えることから、明石市のランドマークとしても知られています。

明石市立天文科学館の年表

時の記念日と無料開放

明石市立天文科学館は、1960年(昭和35年)の時の記念日に開館しました。毎年、時の記念日には無料開放や子午線通過記念証の配布が行われ、特別な日として多くの来館者に親しまれています。

主な施設

プラネタリウムの概要

プラネタリウムは、カール・ツァイス・イエナ製のUniversal23/3(UPP 23/3)というモデルを使用しています。この機種は、1960年の開館時に導入され、2015年時点で日本国内で現役最古、世界でも5番目に古い大型投影機となっています。また、長期にわたり使用されていることから、プラネタリウムの象徴的存在となっています。

塔時計の詳細

現在の塔時計は3代目で、1997年にセイコーホールディングスから寄贈されたものです。全高56メートル、展望は40メートルに達し、文字盤の直径は6.2メートル、重量は約4トンにもなります。2代目は1978年に設置されましたが、阪神・淡路大震災で被災し、震災発生時刻で停止しました。その後、仮復旧を経て、最終的に現在の時計に置き換えられています。

アクセス情報

Information

名称
明石市立 天文科学館
(あかし しりつ てんもん かがくかん)

明石・加古川

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