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慶野松原

(けいの まつばら)

慶野松原は、淡路島の西側、播磨灘に面した兵庫県南あわじ市松帆古津路から松帆慶野にかけて広がる美しい松原です。この地は国指定の名勝であり、その景観は訪れる人々を魅了します。

概要

慶野松原は、三原川河口北側に広がる約2.5kmの砂浜に約5万本のクロマツが生い茂る景勝地です。この松林は様々な枝ぶりを見せ、訪れる人々に四季折々の表情を楽しませてくれます。1997年(平成9年)には、地域特産の淡路瓦をふんだんに用いた「プロポーズ街道」という散策路が整備され、ロマンチックな雰囲気を演出しています。

また、慶野松原からは、播磨灘に沈む夕陽や遥か沖合に浮かぶ小豆島の美しい姿を眺めることができ、その景色は訪れる者の心を和ませます。さらに、松原の北側には、兵庫県の郷土記念物に指定された五色浜が広がり、その名の通り五色の美しい小石が浜辺を彩ります。

歴史と文化

慶野松原は、1928年(昭和3年)に国の名勝に指定され、その美しさが広く認められました。1955年(昭和30年)には、瀬戸内海国立公園の指定区域にも加えられ、自然保護と観光資源としての価値が一層高められました。また、この松原は日本の白砂青松100選、日本の渚百選、日本の夕陽百選にも選ばれており、その風光明媚な景観は国内外から多くの観光客を引き寄せています。

この地は、古くから多くの人々に愛されており、特に『万葉集』において柿本人麻呂が詠んだ歌でも知られています。国民宿舎慶野松原荘の北側には、この歌を刻んだ歌碑が建てられており、歴史的な趣を感じることができます。

「飼飯(けひ)の海の 庭よくあらし刈薦(かりごも)の 乱れ出づ見ゆ 海人(あま)の釣船」

江戸時代には徳島藩がこの松原を所有し、松林の育成に努めていました。しかし、第二次世界大戦時に食糧増産のため一部が開墾され、かつての規模は失われてしまいましたが、今でもその美しさを保ち続けています。

慶野松原海水浴場

慶野松原の後背地には、松林に囲まれた美しい海水浴場が広がっています。この海水浴場は、環境省によって2001年(平成13年)に「日本の水浴場88選」、さらに2006年(平成18年)には「快水浴場百選」の特選に選ばれ、その水質と景観の良さが評価されています。

毎年7月下旬には、慶野松原海水浴場で花火大会が開催され、多くの観光客が訪れます。夏の夜空を彩る花火と、松原の緑、海の青とのコントラストが美しく、幻想的な光景が広がります。また、松林内にはキャンプ場も設けられており、自然の中でのんびりと過ごすことができる人気のスポットです。

慶野松原のアクセス

慶野松原へのアクセスは、車やバスでの利用が便利です。神戸方面や徳島方面からは、神戸淡路鳴門自動車道を利用し、西淡三原インターチェンジまたは洲本インターチェンジから県道を経由して松原に向かうことができます。また、地元のバス路線も整備されており、南あわじ市内からも簡単にアクセス可能です。

Information

名称
慶野松原
(けいの まつばら)

淡路島

兵庫県