ハモすきとは? 〜淡路島の海の恵みを味わう鍋料理〜
「ハモすき」は、淡路島で獲れる新鮮なハモと、島特産の玉ねぎを使った鍋料理です。昆布とハモのあらからとった旨味たっぷりの出汁に、タマネギの甘みとハモの上品な脂が溶け込み、奥深い味わいを生み出します。
淡路島産ハモの特徴
淡路島の南部から沼島周辺の海域は、潮の流れが速く、プランクトンが豊富でハモの成育に適した環境です。そのため、淡路島のハモは身が引き締まり、ほどよく脂がのっているのが特徴です。特に、淡路島の海底は泥地で柔らかいため、ハモの皮が薄くて柔らかく、食感が良いとされています。
淡路島産タマネギの甘み
ハモすきには、淡路島特産の玉ねぎが欠かせません。淡路島の温暖な気候とミネラル豊富な土壌で育った玉ねぎは、水分を多く含み、加熱すると甘みが一層増します。この玉ねぎがハモすきの出汁に深みを加え、ハモの美味しさをさらに引き立てるのです。
ハモすきの歴史 〜大阪・京都の食文化とのつながり〜
淡路島のハモが大阪や京都で重宝されるようになったのは、豊臣秀吉が大阪に魚市場「ざこば」を開いた天正時代にさかのぼります。当時、淡路島の魚介類は、大阪や堺、尼崎などの市場へ運ばれ、多くの商人や料理人に愛されました。特に、生命力が強いハモは生きたまま運搬できたため、鮮度を保ったまま市場へ届けることができ、大阪や京都の料亭でも扱われるようになりました。
現在でも、京都の「祇園祭」や大阪の「天神祭」では、ハモ料理が欠かせない存在となっています。これらの祭りでは、ハモの湯引きやハモ寿司が振る舞われ、夏の訪れを告げる食材として親しまれています。
ハモすきの楽しみ方
旬の時期
ハモは初夏から秋にかけてが旬で、特に産卵前の夏には脂がのって美味しさが増します。体長70〜80cm、重さ700〜1000gのハモが食べ頃とされ、この時期のハモすきは格別です。
基本的な作り方
- 鍋に昆布とハモのあらでとった出汁を入れ、酒、みりん、醤油などで味を調える。
- 薄切りにした淡路島産タマネギを加え、甘みが出るまでじっくり煮込む。
- 骨切りしたハモを一口大に切り、鍋に入れてさっと煮る。
- 仕上げに、ハモの卵を加えると、さらに濃厚な味わいに。
- お好みで青ネギや椎茸などの野菜を加え、煮立ったら完成。
ハモすきを味わうなら淡路島へ
淡路島では、旬の時期になると多くの料理店で「ハモすき」を楽しむことができます。地元ならではの鮮度の高いハモを、最も美味しい状態で味わえるのが魅力です。観光で淡路島を訪れた際には、ぜひ本場の「ハモすき」を堪能してみてください。
主な伝承地域
- 淡路島全域
- 沼島周辺
主な使用食材
- ハモ
- 淡路島産タマネギ
- 昆布だし
- 酒・みりん・醤油
淡路島の豊かな自然が育んだ食材を存分に楽しめる「ハモすき」。旬の味覚を堪能しに、ぜひ淡路島へ訪れてみてはいかがでしょうか。