施設の概要
阪急西宮ガーデンズは、核テナントとして西宮阪急百貨店(25,000m²)、シネマコンプレックスであるTOHOシネマズ西宮OS(12スクリーン、20,000m²)、そして総合スーパーのイズミヤ(10,000m²以上)を有しています。施設全体は、中央に駐車場を配置し、その周囲を囲むようにショッピングモールが配置されたサーキット型の設計となっています。東西南北に4つのモールがあり、全体で約450メートルの距離を持つこの設計は、利便性と回遊性を高めるために工夫されています。
屋上庭園「スカイガーデン」
施設の4階に位置する屋上庭園「スカイガーデン」は、約9,000m²の広さを持ち、六甲山系に自生する樹木や桜、果樹などが植えられています。また、音楽に合わせて踊る噴水が設置されており、訪れる人々に癒しの空間を提供しています。
施設のコンセプトとデザイン
阪急西宮ガーデンズという名称には、「西宮七園」の歴史を取り入れ、地域の人々に憩いと賑わいを提供する「庭園」のような快適な空間でありたいという願いが込められています。ロゴには、西宮市の花である桜をモチーフにしており、新しい西宮のアイデンティティシンボルとしての意味合いが強調されています。
高級志向の商圏
西宮市は高級住宅地として知られており、この商圏をターゲットにしているため、従来のショッピングセンターにはない高級志向のセレクトショップが多数出店しています。この背景には、2007年春に実施されたテナント向け説明会において、出店枠数の約2倍にあたる500社が参加したことが挙げられます。このことからも、出店意欲が非常に高かったことがうかがえます。
ペット対応とメモリアルスポット
阪急西宮ガーデンズでは、「ペット保有率が高い」地域性を考慮し、ペット用のホテルや病院を備えた「阪急ハロードック」も設置されています。また、施設内には、かつての阪急西宮スタジアムや阪急ブレーブスにちなんだ「メモリアルスポット」が5カ所に設置されており、屋上のスカイガーデンには、同スタジアムで使用されたホームベースが展示されています。
阪急西宮ギャラリー/スタジモにしのみや
さらに、阪急電鉄や西宮市に関する情報発信拠点として「阪急西宮ギャラリー/スタジモにしのみや」が5階に設けられています。ここでは、阪急電鉄や阪急ブレーブスに関する展示物や、ダイヤモンドクロスがあった1983年当時の西宮北口駅周辺のジオラマが展示されています。また、テーマ別にアーカイブ映像を無料で鑑賞できるモニターも設置されています。
開業時の盛況
阪急西宮ガーデンズは、開業初日に約10.8万人、最初の週末2日間で約30万人を集客し、オープンから6日間で約58.6万人(別の報道では約51.7万人)が来場しました。この盛況により、西宮北口駅の1日平均乗降人員は約11.4万人となり、阪急電鉄の駅で梅田駅に次ぐ第2位の乗降客数を記録しました。
イベント展開と経済効果
ショッピングセンター内では、核店舗と専門店が連携してイベントを展開し、特に近郊在住者をターゲットにしたポイントカード会員(約28万人)を中心に、高頻度での来店が促進されています。この結果、開業初年度の売上高は約659億円、2年目には約676億円と、郊外型ショッピングセンターとしては異例の成長を遂げています。
その後の発展
2018年には「別館」と「ゲート館」が開業し、さらに2019年には開業10周年を記念してリニューアルが行われました。このリニューアルでは、新規26店舗の開店や、移転・改装を行った47店舗を含む計73店舗が新しくなり、屋上庭園の改装やデカトロンの日本1号店のオープンなどが行われました。
オープンまでの経緯
2005年11月、阪急電鉄は阪急西宮スタジアム跡地に日本最大級のショッピングセンターを建設する計画を発表しました。2006年下期に着工し、2008年秋の開業を目指して工事が進められました。その後、2007年4月に「阪急西宮ガーデンズ」という名称で開業することが発表され、2008年11月26日にグランドオープンを迎えました。
施設の詳細
設計と施工
阪急西宮ガーデンズの設計は安井建築設計事務所が担当し、施工は竹中工務店が行いました。建物は地上4階建て(一部5階建て)で、延床面積は約247,000m²、賃貸面積は約107,000m²に及びます。
営業時間と休業日
西宮阪急の営業時間は10:00から20:00、イズミヤは10:00から21:00までとなっており、専門店街や飲食店街、映画館も各々異なる営業時間で営業しています。また、施設は年中無休で営業しています。
エスカレーター・エレベーター
館内には、通路内に6カ所、阪急百貨店内に2カ所、イズミヤ内に1カ所のエスカレーターが設置されています。また、エレベーターは通路内に8カ所、阪急百貨店内とイズミヤ内にそれぞれ1カ所設置されています。館内は禁煙ですが、喫煙所が設けられています。
主なテナント
阪急西宮ガーデンズには、西宮阪急百貨店、イズミヤ、TOHOシネマズ西宮OS、ジョーシン、ユニクロ、無印良品、ロフト、ブックファースト、NHK文化センターなどのテナントが入居しています。
TOHOシネマズ西宮OS
5階にあるTOHOシネマズ西宮OSは、12スクリーンと2,073席(車椅子対応22席)を完備するシネマコンプレックスです。2015年12月には「MediaMation MX4D」、2021年11月には「IMAXレーザー」が導入され、最新の映画体験を提供しています。
イベントとアクセス
施設内のスカイガーデンでは、土日祝を中心に年間約200本のライブ・イベントが開催され、幅広いジャンルのアーティストが出演しています。また、施設の玄関前広場で行われる「コトリライブ」では、インディーズアーティストが無料でライブを開催しており、来場者に人気のイベントです。
アクセス
阪急西宮ガーデンズは、阪急神戸線の西宮北口駅から徒歩3分の場所に位置しており、専用通路を通って行くことができます。電車だけでなく、車でのアクセスも便利で、駐車場は約3,000台を収容可能です。駐車料金は60分無料、以降30分ごとに200円で、最大料金の設定もあります。駐輪場も完備されており、バイク置き場も設置されています。