概要
延宝2年(1674年)に建築されたこの町屋は、当初は住宅として建てられ、その後、商業施設として使用されるように改装されました。正徳5年(1715年)には、北側に酒蔵が増築され、これは現存する日本最古の酒蔵とされています。建築主は松屋与兵衛であり、幾度かの所有者を経て、明治時代には岡田正造の所有となりました。
旧岡田家住宅の特徴
この建物は、商業施設としての機能を持つ町屋として発展し、その後の時代に応じて改築や増築が繰り返されました。特に1715年に増築された酒蔵は、日本最古の現存する酒蔵とされており、その歴史的価値は非常に高いものです。1992年には、店舗と酒蔵が国の重要文化財に指定され、1995年から解体調査・復元作業が行われ、2001年に一般公開されるようになりました。
歴史
- 1674年 - 延宝2年に建築。
- 1715年 - 店舗北側に酒蔵を増築。
- 1729年 - 衰退し始めた酒蔵を鹿児屋清右衛門が松屋与兵衛から買収。
- 1876年 - 店舗東側に酒蔵を増築し、生産を拡大するも廃業。その後、岡田正造が新たな所有者となり、大規模な改築工事を実施。
- 1925年 - 伊丹酒類興業に引き継がれる。
- 1968年 - 伊丹酒類興業から大手柄酒造に引き継がれた後、廃業。
- 1987年 - 伊丹市の所有となり、店舗と酒蔵が取り壊され、伊丹市立手芸センターが設立。
- 1995年 - 旧岡田酒造が解体調査を経て復元。
- 2001年 - 伊丹市立手芸センターとともに、「みやのまえ文化の郷」として一般公開開始。
施設構成
旧店舗
旧店舗は現在、展示室として利用されており、岡田家の歴史や伊丹市の酒造りの歴史を紹介する展示が行われています。タンスや行灯などの歴史的な家具も展示されています。
旧酒蔵
旧酒蔵は、150人収容可能な多目的ホールとして活用されています。ここでは、酒造の歴史を紹介する映像番組「酒造の町―伊丹―」が上映されており、150インチのスクリーンで臨場感あふれる映像を楽しむことができます。
利用情報
開館時間
午前10時から午後6時まで(入館は午後5時30分まで)
休館日
月曜日(祝日の場合は翌日休館)
入館料
無料
建築概要
所在地
〒664-0895 兵庫県伊丹市宮ノ前2丁目5番28号
重要文化財指定
1992年に店舗と酒蔵が国の重要文化財に指定されました。
周辺情報
- みやのまえ文化の郷
- 伊丹市立伊丹郷町館
- 旧石橋家住宅
- 新町屋
- 柿衞文庫
- 伊丹市立美術館
- 伊丹市立工芸センター
- ブルワリーミュージアム
- アイホール
- 有岡城跡
交通アクセス
- 阪急伊丹線 伊丹駅 徒歩8分
- JR宝塚線 伊丹駅 徒歩8分
旧岡田家住宅は、伊丹市の歴史的な文化財として重要な役割を果たしています。その歴史や建築の価値を知ることで、当時の人々の暮らしや商業活動について理解を深めることができるでしょう。