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鳳鳴酒造

(ほうめい しゅぞう)

鳳鳴酒造は、兵庫県丹波篠山市呉服町に本社を構え、大沢1丁目に味間工場を有する日本の老舗酒造会社です。創業は1797年(寛政9年)であり、200年以上の歴史を持つ伝統的な酒蔵として、その名を広く知られています。「鳳鳴」ブランドの日本酒をはじめ、地元の特産物を活かしたリキュールや焼酎、音楽振動で醸造したユニークな酒など、多彩な商品を製造・販売しています。

ほろ酔い城下蔵

歴史と概要

2003年に鳳鳴酒造本社の主屋・仕込蔵などが国の登録有形文化財に登録され、200年以上前に建てられた西尾邸を改装し、酒蔵見学施設「ほろ酔い城下蔵」として公開しています。この施設は、江戸時代(寛政9年・1797年)から続く酒蔵を整備・改装し、実際に使用していた酒造りの道具や清酒の製造工程を紹介するパネル展示などが行われています。

篠山城の城下町に位置し、観光地としても非常に人気があります。江戸時代の風情を感じさせる「ほろ酔い城下蔵」では、訪れる人々が日本酒の伝統的な製造方法や丹波杜氏の技術を学ぶことができます。

酒蔵見学の魅力

「ほろ酔い城下蔵」では、実際の酒造りに使われていた古い道具や、洗米場、釜場、麹室など当時の酒造りの現場を見学することができます。見学後には、店内で「鳳鳴」ブランドの清酒や地元の特産物を使用したリキュール類の試飲が可能で、気に入った商品を購入することもできます。例えば、丹波黒大豆を使った和リキュール「楼蘭(ローラン)」や、丹波栗の「マロンデキッス」など、ここでしか手に入らない商品が豊富に揃っています。

歴史的背景と文化財

鳳鳴酒造が所有する建物は、1797年の創業時に建築されたもので、長い歴史の中で丹波杜氏の技術と共に成長してきました。昭和50年(1975年)までは、この場所で実際に酒造りが行われており、現在もその歴史的価値が高く評価されています。さらに、2015年には篠山市(現:丹波篠山市)が「丹波篠山 デカンショ節ー民謡に乗せて歌い継ぐふるさとの記憶」として日本遺産に認定され、その構成文化財の一つとして「ほろ酔い城下蔵」も登録されています。

沿革

鳳鳴酒造は、西尾酒造として1797年に創業し、その後も地元の特産物を活かした酒造りを続けてきました。1945年には篠山市内の13の蔵が合併し、「鳳鳴」ブランドに統一。その後、リキュール製造免許の取得や、丹波黒大豆を使ったリキュール酒「楼蘭」の発売、日本酒を使った梅酒「貴醸酒」など、多様な商品開発を進めてきました。

1975年に清酒製造を味間工場(味間蔵)に集約し、現在も続く品質の高い酒造りを支えています。また、1996年には現在の社名である「鳳鳴酒造株式会社」に社名を変更し、音楽振動醸造「夢の扉」など、革新的な製品を展開しています。2003年には、主屋・仕込蔵が国の登録有形文化財に指定され、地域の歴史と文化を象徴する存在となっています。

建築と文化財

歴史的建築物

鳳鳴酒造の主屋・仕込蔵は築200年以上の歴史を持ち、2003年に国の登録有形文化財(建造物)に登録されました。この建物では、江戸時代の風情をそのままに、現代に伝えています。さらに、「ほろ酔い城下蔵」では、音楽振動醸造のために常にモーツァルトやベートーヴェンの音楽が流されており、独自の醸造環境が保たれています。

また、2002年には、古い酒蔵を利用したイベントスペース「ほろ酔いホール」が設置され、6本脚のグランドピアノ(ヤマハグランドピアノ「ルイ16世型」No.3)が置かれ、コンサートなどが行われています。このように、伝統と現代が調和した空間で、訪れる人々に特別な体験を提供しています。

交通アクセス

公共交通機関と自動車でのアクセス

「ほろ酔い城下蔵」へのアクセスは、JR福知山線篠山口駅から神姫バス「篠山営業所」行きに乗り、「呉服町」で下車、徒歩1分という便利な立地です。自動車でのアクセスも容易で、舞鶴若狭道丹南篠山口ICを下りて約10分で到着します。また、味間蔵までは約3分の距離です。観光客や地元の方々にとって、訪れやすいロケーションにあります。

Information

名称
鳳鳴酒造
(ほうめい しゅぞう)

丹波篠山

兵庫県